成果報告書

平成28年度 共同利用・共同研究 成果報告書

  1. 課題番号:共2016-01
    大気圧非平衡マイクロ波プラズマジェットによる界面活性剤の分解手法の開発
  2. 課題番号:共2016-02
    ホウ素中性子捕捉療法のためのオンライン線量イメージングシステムの研究
  3. 課題番号:共2016-03
    円筒形成形爆薬を用いた金属板損傷実験解析を通じた、数値シミュレーション手法の開発
  4. 課題番号:共2016-04
    高温ガス炉の核不拡散性及び安全性の定量化に関する研究
  5. 課題番号:共2016-05
    放射線によって誘発されるDNA損傷応答分子ネットワークの理解と制御
  6. 課題番号:共2016-06
    先進的核種分離を志向したイオン液体中での遷移金属錯体溶液化学に関する基礎研究
  7. 課題番号:共2016-07
    高レベル放射性廃液からのマイクロ波駆動型白金族元素迅速抽出技術基盤研究
  8. 課題番号:共2016-08
    反対称化分子動力学による核データの研究
  9. 課題番号:共2016-09
    クランキング・ハートリーフォック法による回転運動に誘起された核分裂の研究
  10. 課題番号:共2016-10
    ランジュバン模型を用いた荷電偏極の即発中性子スペクトルへの影響の評価
  11. 課題番号:共2016-11
    ニュートリノ核反応に対する原子核統計モデルの寄与
  12. 課題番号:共2016-12
    迅速・簡便な金属イオン計測のためのマイクロ固相抽出・分析システムの構築
  13. 課題番号:共2016-13
    相転移型水系溶媒抽出法による白金族元素の分離
  14. 課題番号:共2016-14
    大型トカマクにおけるNBIと核融合反応同時加熱時の高エネルギー粒子のOFMCコードによる非定常解析
  15. 課題番号:共2016-15
    熱中性子挙動の解明に関する研究:多結晶黒鉛における散乱モデルの高度化
  16. 課題番号:共2016-16
    配向性セラミックスの中性子耐照射性に関する研究
  17. 課題番号:共2016-17
    制御棒吸収材料B4Cの物性研究
  18. 課題番号:共2016-18
    Al4SiC4を焼結助剤とした炭化ケイ素セラミックスの焼結性及びその特性評価
  19. 課題番号:共2016-19
    タンパク質2次構造の動的変化によるDNA二重鎖切断修復の制御機構の解析
  20. 課題番号:共2016-20
    希土類元素の糸状菌による取り込み機構の解明研究

課題番号:共2016-01

研究代表者: 赤塚 洋
研究分担者(所属): 根津 篤(技術部・技術専門員),湯地敏史(宮崎大学),川野美延(宮崎大学)
研究課題名: 大気圧非平衡マイクロ波プラズマジェットによる界面活性剤の分解手法の開発
研究期間: 平成28年8月1日 ~ 平成29年3月31日
抄録: 界面活性剤入り水溶液に大気圧マイクロ波プラズマを照射することで、プラズマ中から発生する OH ラジカルにより、水溶液中の界面活性剤の分解を促すことを目的とした研究を進めてきた。その結果、陰イオン系界面活性剤水溶液にて、Arガスを用いたプラズマを照射することで、pH 値の変化及び分光光度計における吸光度の顕著な変化を確認することができ、プラズマ中から発生するラジカルにて界面活性剤の分解を可能とすることが明らかとした。

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課題番号:共2016-02

研究代表者: 片渕竜也
研究分担者(所属): 河地有木(量子科学技術研究開発機構),山口充孝(量子科学技術研究開発機構)
研究課題名:

ホウ素中性子捕捉療法のためのオンライン線量イメージングシステムの研究

研究期間: 平成28年7月1日 ~ 平成29年3月31日
抄録:

ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)のための線量イメージングを行うシステムの研究を行った。東工大ペレトロン加速器での実験結果をもとにガンマ線検出器を用いたBNCT用イメージングシステムの検討を行った。

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課題番号:共2016-03

研究代表者: 相楽 洋
研究分担者(所属):

柳沢俊史(JAXA・研究開発部門 第二研究ユニット・主任研究開発員),東出真澄(JAXA・研究開発部門 第二研究ユニット・研究開発員),平井隆之(JAXA・研究開発部門 第二研究ユニット・研究開発員),菊原 哲(東工大原子核工学専攻D2)

研究課題名: 円筒形成形爆薬を用いた金属板損傷実験解析を通じた、数値シミュレーション手法の開発
研究期間: 平成28年6月1日 ~ 平成29年3月31日
抄録: 本研究では、超高速衝突問題(>3km/s)に対する数値解析手法開発を目的とし、宇宙航空研究開発機構(JAXA)で実施された成形爆薬式超高速射出装置による金属板損傷実験を参照実験とし、衝撃解析コードANSYS®AUTODYN®による実験解析を実施した。これにより、成形爆薬により生じる飛翔体の速度および生成初期の形状を模擬できる解析手法を得た。また、これまでに報告されていない、飛翔体の飛翔中拡散の可能性と、飛翔体拡散が損傷様式へ影響を及ぼす可能性を示した。

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課題番号:共2016-04

研究代表者: 相楽 洋
研究分担者(所属): 大橋弘史(日本原子力研究開発機構(原子力機構))、佐藤博之(原子力機構・原子力科学研究部門原子力水素・熱利用研究センター小型高温ガス炉研究開発ユニット・安全設計グループ)、青木 健(東工大原子核工学専攻)
研究課題名: 高温ガス炉の核不拡散性及び安全性の定量化に関する研究
研究期間: 平成28年4月1日 ~ 平成29年3月31日
抄録:

本共同研究では高温ガス炉の3S(安全・核不拡散・核セキュリティ)特性の定量化を目的として、核不拡散性の評価手法に関する優れた研究成果を有する東京工業大学と、高温ガス炉の安全性向上に向けた研究開発を行っている原子力機構の知見を活用した協力研究を実施する。物質収支区域設計に基づき、超ウラン(TRU)元素燃焼・低減化を狙った高温ガス炉の燃料に対して核不拡散性の一要素を表す保障措置水準の達成に必要なプルトニウム量測定精度を明らかにした。

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課題番号:共2016-05

研究代表者: 島田幹男
研究分担者(所属): 加藤晃弘(東北医科薬科大学医学部放射線基礎医学教室)
研究課題名: 放射線によって誘発されるDNA損傷応答分子ネットワークの理解と制御
研究期間: 平成28年6月1日 ~ 平成29年3月31日
抄録:

放射線の細胞への影響として最も甚大なのがDNAへの損傷である。生物が持っているDNA損傷応答の分子機構を解明するためにヒトおよびマウスの培養細胞を用いて分子生物学的解析を行った。DNA損傷応答は様々な分子的なシグナル伝達系から成り立つために放射線照射後の細胞からタンパク質を抽出し、タンパク質の発現量の差や分子修飾の頻度をウエスタンブロッティングおよび免疫染色を用いて解析した。

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課題番号:共2016-06

研究代表者: 鷹尾康一朗
研究分担者(所属): 森 貴宏(東工大),森 寛敏(お茶の水女子大),黒木菜保子(お茶の水女子大)
研究課題名: 先進的核種分離を志向したイオン液体中での遷移金属錯体溶液化学に関する基礎研究
研究期間: 平成28年7月1日 ~ 平成29年3月31日
抄録:

イオン液体の工学的応用のためには、各種金属イオンの錯体化学・溶液化学を基礎から真に理解することが重要である。本研究では、分光学的実験と計算化学を組み合わせることによりこの課題にアプローチした。BF4をアニオンとする様々なイオン液体に溶解したCo2+の紫外可視吸収スペクトルはCo2+からの脱水和の進行を意味するCo(II)四面体型錯体に特徴的な青色を示した。更に、Co(II)錯体周囲のイオン液体の溶液構造について有効フラグメントポテンシャル-分子動力学計算を用いた検討を行った。

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課題番号:共2016-07

研究代表者: 鷹尾康一朗
研究分担者(所属): 森 貴宏(東工大),新井 剛(芝浦工大),河野壮馬(芝浦工大)
研究課題名: 高レベル放射性廃液からのマイクロ波駆動型白金族元素迅速抽出技術基盤研究
研究期間: 平成28年7月1日 ~ 平成29年3月31日
抄録: 高レベル放射性廃液のガラス固化時に問題となるRu, Rh, Pdといった白金族元素を抽出分離することが必要とされている。ところが置換不活性なRu(III)やRh(III)は抽出効率の低さが難点であった。この現状を打破するため、本研究では同じく置換不活性な金属イオンの反応性を劇的に高める実績を有するマイクロ波加熱の利用を提案し、白金族元素の抽出におけるその効果の実証に成功した。

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課題番号:共2016-08

研究代表者: 千葉 敏
研究分担者(所属):

小野 章(東北大学)、餌取篤彦(東工大)、石塚知香子(東工大)

研究課題名: 反対称化分子動力学による核データの研究
研究期間: 平成28年7月1日 ~ 平成29年3月31日
抄録:

反対称化分子動力学(AMD)法を核反応に適用し、測定データとの比較を行いAMDの記述する反応機構の理解を行った。また、AMD法を初めてウランのような重い核に適用し、基底状態の記述能力を把握すると同時にブーストモデルを開発して核分裂を生起させることに世界で初めて成功した。微視的模型による核分裂の記述はこれまで核分裂障壁の外側からスタートすることが主であったが、これにより第二極小点付近で準安定状態を生成し、それが自発的に分裂に向けて変形し、ある時点でネックが破断する様相を見ることが可能となった。また、その結果より、Brosaが流体力学的考察の元に基づいて導出したrandom neck-rupture条件や、Carjanの断裂中性子放出条件の妥当性を微視的立場から検証することが可能となった。

 

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課題番号:共2016-09

研究代表者: 千葉 敏
研究分担者(所属):

岩田順敬(先導研)、板垣直之(京大基研)

研究課題名: クランキング・ハートリーフォック法による回転運動に誘起された核分裂の研究
研究期間: 平成28年7月1日 ~ 平成29年3月31日
抄録:

核データは原子力を支える基礎として重要である。こういった核データの信頼性をより向上させるために波動関数を直接扱うことのできる微視的理論の一つであるクランキング・ハートリー・フォック(CHF)理論を用いて核分裂過程を研究した。とくにエネルギーを与えられた原子核が回転することで核分裂に至るという一つのシナリオの妥当性を明らかにするために系統的CHF計算を行った。これら一連の計算結果をもとにして、回転誘導型核分裂理論という分野を新たに創成・開拓することを最終的な目的とする。

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課題番号:共2016-10

研究代表者: 千葉 敏
研究分担者(所属): 石塚知香子(東工大)、城島洋紀(東工大)、ニコラエ カルジャン(ホリア・フルベイ原子物理工学研究所)
研究課題名: ランジュバン模型を用いた荷電偏極の即発中性子スペクトルへの影響の評価
研究期間: 平成28年7月1日 ~ 平成29年3月31日
抄録:

原子炉の臨界性を精度良く把握するために、即発中性子の入射中性子エネルギーへの依存性を解明することは非常に重要な未解決課題である。本研究では即発中性子放出率に影響する核分裂片の電荷最確値を、3次元ランジュバン模型を用いて求められた断裂時形状から示唆される最も安定な電荷として、対称エネルギーとクーロンエネルギーの和を最小化することにより求めた。こうして得られた電荷は通常仮定される「核分裂の前後で保存される陽子・中性子比」からずれており、そのずれを荷電偏極と呼ぶ。平成28年度に採択された共同研究では、ランジュバン計算による荷電偏極が良い即発中性子を与えることがわかり、その機構の詳細な解析を行った。

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課題番号:共2016-11

研究代表者: 千葉 敏
研究分担者(所属): 早川岳人(量子科学技術研究機構)、城島洋紀(東工大)
研究課題名: ニュートリノ核反応に対する原子核統計モデルの寄与
研究期間: 平成28年7月1日 ~ 平成29年3月31日
抄録:

ニュートリノ-原子核反応は、超新星爆発において爆発を引き起こすニュートリノによるエネルギー輸送や、既存の原子核と相互作用による新しい同位体の生成(ニュートリノ過程)において重要である。本研究では、放射性同位体98Tcが超新星爆発ニュートリノ過程で生成された場合の量を評価した。ニュートリノのエネルギーは数MeVから100MeVに達するため統計モデルでニュートリノ反応後の残留核の割合を求めた。

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課題番号:共2016-12

研究代表者: 塚原剛彦
研究分担者(所属): 北辻章浩(国立研究開発法人日本原子力研究開発機構・原子力科学研究部門・原子力基礎工学研究センター・原子力化学ディビジョン分析化学研究グループ・グループリーダー),渡邉雅之(同・グループリーダー),大内和希(同・研究員),青柳 登(同・研究員)
研究課題名: 迅速・簡便な金属イオン計測のためのマイクロ固相抽出・分析システムの構築
研究期間: 平成28年7月1日 ~ 平成29年3月31日
抄録: 本研究では、極微量で迅速・簡便な金属イオンの分析を可能とする「マイクロ固相抽出・分析システム」の基盤技術を構築することを目指したものである。昨年度までに構築したU, Ln向けの技術を発展させ、マイクロ流路内でPd等の多元素に適用しうる手法を確立するための、基礎基盤研究を行った。

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課題番号:共2016-13

研究代表者: 塚原剛彦
研究分担者(所属): 浅沼徳子(東海大学工学部原子力工学科・准教授),倭啓泰(東海大学大学院工学研究科応用理化学専攻・修士1年)
研究課題名: 相転移型水系溶媒抽出法による白金族元素の分離
研究期間: 平成28年7月1日 ~ 平成29年3月31日
抄録:

本研究では、僅かな温度変化だけで親水・疎水性を変化させることができる感応性高分子Poly-N-isopropylacrylamide(PNIPAAm)を用い、PNIPAAmと白金族錯体との親水・疎水性相互作用を水中で変化させるだけで、標的の白金族元素を直接分離回収しうる相転移型水系溶媒抽出法を確立すると共に、Pd2+の直接抽出試験を実施した。

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課題番号:共2016-14

研究代表者: 筒井広明
研究分担者(所属):

篠原孝司(量研機構),飯尾俊二(東工大),谷 啓二(東工大)

研究課題名: 大型トカマクにおけるNBIと核融合反応同時加熱時の高エネルギー粒子のOFMCコードによる非定常解析
研究期間: 平成28年4月1日 ~ 平成29年3月31日
抄録: 軌道追跡モンテカルロコード(OFMC)コードの応用として、ITERの15MA運転シナリオをベースに、定常ELM抑制磁場中のH+TプラズマにパルスDビームを入射した場合、および、定常Dプラズマ、Dビーム入射にパルスELM抑制磁場を印加した場合の2ケースについて中性子発生の時間変化を計算した。その結果、中性子計測による高エネルギー粒子の閉じ込めの評価の有用性が示された。また、MAST装置での実験結果と比較し、良い一致を得た。

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課題番号:共2016-15

研究代表者: 西山 潤
研究分担者(所属):

原野英樹(産総研),松本哲郎(産総研),増田明彦(産総研)

研究課題名: 熱中性子挙動の解明に関する研究:多結晶黒鉛における散乱モデルの高度化
研究期間: 平成28年7月1日 ~ 平成29年3月31日
抄録:

原子力及び放射線応用の分野において、減速体系で生成される熱中性子挙動を正確に把握することは測定と安全管理の高精度化の点で重要である。特に黒鉛のように結晶構造を持つ物質では、原子の規則性を持った配列と原子間の結合が中性子散乱反応に大きく影響を及ぼしている。産業技術総合研究所において黒鉛パイルとAm-Be, Cf-252中性子線源を用いた熱中性子減速場において、測定の誤差低減のため、中性子線源及び検出器設置治具の改良を行い測定誤差の低減を図った。基礎データの充実のため、黒鉛パイル温度を変えた中性子温度スキャン測定、Cf-252中におけるCf-250混入比率評価の詳細測定を実施した。熱中性子の詳細測定とモンテカルロシミュレーションにより熱中性子散乱モデルなどによる差異の定量評価を行った。

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課題番号:共2016-16

研究代表者: 吉田克己
研究分担者(所属): 矢野豊彦(東工大・先導研)、Pornphatdetaudom Thanataon(東工大・原子核工学専攻)、鈴木 達(物質・材料研究機構)
研究課題名: 配向性セラミックスの中性子耐照射性に関する研究
研究期間: 平成28年7月1日 ~ 平成29年3月31日
抄録: 物質の諸特性は、結晶面や軸方位により異なる場合が多く、多結晶体における個々の結晶方位を揃えたりするなどの配向制御は近年特に注目されている組織制御手法の一つである。本研究では、照射前試料の検討としてSPSにより作製したAlNにおいて、強磁場配向によるc軸配向がAlNセラミックスの透光性に及ぼす影響を検討した。その結果、c軸一軸配向とすることにより、透光性が向上することを明らかにした。

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課題番号:共2016-17

研究代表者: 吉田克己
研究分担者(所属): 矢野豊彦(東工大・先導研)、You Yan(東工大院・原子核工学専攻)、前田宏治(JAEA)、井上利彦(JAEA)、関尾佳弘(JAEA)、佐々木新治(JAEA),勝山幸三(JAEA)
研究課題名: 制御棒吸収材料B4Cの物性研究
研究期間: 平成28年7月1日 ~ 平成29年3月31日
抄録:

高速炉用制御材として炭化ホウ素(B4C)ペレットが用いられている。高速炉の安全性を維持するためには、制御材の安全性を維持することが重要であり、B4Cペレットの中性子照射挙動を十分理解することが必要となる。本研究では実際に高速実験炉「常陽」内で中性子照射したB4C高速炉用制御材について、透過型電子顕微鏡(TEM)により微構造評価を行い、中性子照射による微構造変化を明らかにすることを目的とした。

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課題番号:共2016-18

研究代表者: 吉田克己
研究分担者(所属):

矢野豊彦(東工大・先導研)、西村聡之(物質・材料研究機構)

研究課題名: Al4SiC4を焼結助剤とした炭化ケイ素セラミックスの焼結性及びその特性評価
研究期間: 平成28年7月1日 ~ 平成29年3月31日
抄録: 3元系化合物は、金属とセラミックスとを組み合わせた特徴を有するユニークな材料であり、高強度、高い電気伝導性及び熱伝導性、優れた耐食性、耐熱性,耐熱衝撃性及び機械加工性等の特性を有する。本研究では3元系化合物としてAl4SiC4に注目し、合成したAl4SiC4粉末を放電プラズマ焼結装置(SPS)により焼結し、得られたAl4SiC4焼結体の焼結性及びX線回折による結晶相の同定を行った。

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課題番号:共2016-19

研究代表者: 松本義久
研究分担者(所属): 島田幹男(先導研・助教)、 横谷明徳(量研機構・プロジェクトリーダー) 、 西久保 開(量研機構/茨城大理学部)、鬼澤美里(量研機構/茨城大理学部)
研究課題名: タンパク質2次構造の動的変化によるDNA二重鎖切断修復の制御機構の解析
研究期間: 平成28年9月1日 ~ 平成29年3月31日
抄録: 本研究は、DNA二重鎖切断修復においてハブ的役割を担うXRCC4タンパク質の二次構造が放射線照射によってどのように変化するか、また、その変化がどのような生理的意義を持つかを明らかにすることを目的として行った。本年度は、まず大腸菌で発現し、カラムクロマトグラフィーによって精製したヒトXRCC4の円二色性(CD)解析を行い、通常状態のXRCC4の二次構造に関する情報を得ることができた。

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課題番号:共2016-20

研究代表者: 大貫敏彦
研究分担者(所属):

川添一郎(東京バイオテクノロジー専門学校),小室真保(東京バイオテクノロジー専門学校)

研究課題名: 希土類元素の糸状菌による取り込み機構の解明研究
研究期間: 平成28年9月1日 ~ 平成29年3月31日
抄録:

希土類元素の糸状菌の生長に及ぼす影響を調べる試験として、0.1mMのYbを添加した寒天培地上で糸状菌(Pleurotus ostreatus (Jacq.:Fr.) P. Kumm.、Epithele typhae及びCoprinus disseminatus)を栽培し、菌糸の成長を調べた結果、Yb無添加培地で成育した菌糸よりも成育が遅くなることを明らかにした。Yb添加培地で生育させたE. typhaeを用いて放射光においてYb L3吸収端のXFASスペクトルを検知できたことから、E. typhaeへのYbの濃集を確認できた。したがって、糸状菌の生長阻害の一因は、希土類元素の取り込みによると考えられる。