伊藤 あゆみ

伊藤 あゆみ
原子力工学部門

職名
特任准教授 
電話
03-5734-2906
Eメール
zc.iir.titech.ac.jp
研究室HP
http://kobayashi.lane.iir.titech.ac.jp
研究者リンク
 

研究の特徴

軽水炉における冷却材喪失事故(LOCA)では炉心構成材料が高温下で化学的腐食に陥り構造物としての健全性を失うおそれがあります。そのような負荷に対して策定されている設計基準が十分であるか精度よく評価することが重要です。炉心は様々な種類の金属や金属酸化物(燃料棒(UO2)、被覆管(Zr合金)、制御材(Ag-In-Cd合金、B4C)、ステンレス鋼(Fe-Cr-Ni))から構成されています。事故状況では複雑な反応を呈して溶融と凝固が繰り返されて反応物の熱物性値が変化し、低融点合金化することで損傷拡大が加速される恐れがあります。したがって、そのような複雑な金属反応挙動を考慮した上で、設計基準を超えた事象に対してプラント応答を評価する技術を確立することは原子力発電所を安全に稼働させるために重要な課題です。高温金属材料学を軸にミクロスケールの反応挙動をマクロスケールのプラント解析に組み込むことを目指し、冶金工学・金属材料学・計算科学を用いた基礎的な研究を行っています。

研究の概要

軽水炉材料においてキーとなるのはジルコニウム合金とステンレス鋼の高温反応です。材料反応研究では電気抵抗炉を用いて1000~2000℃における拡散対試験を実施し反応速度論的なアプローチにより様々な分析手法を用いて評価を行っています。また、ウランを含む2000℃以上の溶融挙動についても関心をもち、溶融挙動を解析するための計算科学モデル開発にも取り組んでいます。

キーワード

セラミックス合成、機能性酸化物材料、エネルギー変換材料、畜エネルギー材料、強誘電体材料、二次電池材料、電気化学、放射光実験