吉田 克己

吉田 克己
原子力工学部門

職名
准教授
電話
03-5734-2960
Eメール
zc.iir.titech.ac.jp
研究室HP
https://yoshida.zc.iir.titech.ac.jp/
研究者リンク
Web of Science | ORCID

研究の特徴

セラミック材料は、耐熱性、耐食性、耐摩耗性等の優れた特性を有するため、金属材料の適用が困難とされる苛酷環境下での適用が期待できる魅力的な材料であるが、部材として十分に利用されていないのが現状である。セラミック材料を部材として適用するためには、部材としての信頼性の向上に加えて、それぞれの用途に応じた特性・機能付与を図る必要がある。ナノ、ミクロあるいはマクロレベルでの微構造制御に基づく信頼性の向上や特性・機能付与に注目し、原子力・核融合分野、エネルギー・環境分野、宇宙航空分野等の苛酷な環境下での適用を目指した先進セラミック材料の開発を行っている。

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研究の概要

  1. 先進セラミックス基複合材料に関する研究
    セラミックスを部材としての適用を考えた場合、脆性という材料としての信頼性の低さに問題がある。そのため、セラミック繊維を複合化し、信頼性の向上を目指した繊維強化セラミックス基複合材料が注目されている。例えば、核融合炉においては、炭化ケイ素を軸とした先進セラミックス基複合材料がブランケット構造材料として期待されており、原子炉においては、ジルカロイに替わる燃料被覆管の新材料として期待されている。また、繊維を強化材とした先進セラミックス基複合材料は、高温ガスタービンや宇宙航空産業等の苛酷環境下での適用も期待されている。本研究では、界面・微構造制御に基づいた繊維強化セラミックス基複合材料の創製とその特性評価に関する研究を行っている。また、様々な機能・特性の付与を目指した特異な構造を有する先進セラミックス基複合材料の研究も行っている。
  2. 高機能セラミック多孔材に関する研究
    環境負荷低減や省資源・エネルギー化を図る上で、セラミック材料、特にセラミック多孔材の活用が有効であると考えられる。本研究では、高機能セラミック多孔材の創製に関する研究を行っている。現在、独自に提案した「その場結晶成長・粒子配向」等を利用した機能付与や、用途に応じたナノ~マクロレベルでの気孔径制御を軸とした基礎研究を行っている。また,放射能汚染水の浄化及び固定化が可能な多孔質セラミック材料の開発も行っている.
  3. 耐苛酷環境性セラミックスに関する研究
    セラミックスは、耐熱性、耐食性、耐摩耗性等に優れる材料であり、金属材料では適用が困難とされている高温、高熱勾配、腐食性雰囲気、放射線・粒子線照射等の苛酷環境下での使用が期待されている。本研究では、苛酷環境下に曝された材料の特性・微構造変化を明らかにし、得られた結果をもとに、苛酷環境に耐えうるセラミック材料の開発を目指している。原子力・核融合炉分野での適用を目指した材料開発として、微構造制御及び高次構造制御による事故耐性燃料への適用を目指した新規セラミック材料の開発、高速炉用革新的セラミック制御材の開発や長寿命放射性核種核変換用セラミックマトリックスの開発を行っている。本研究は、上記1,2の研究テーマとも密接に関連している。

※上記の研究テーマに関しては,いずれにおいても中性子照射,腐食環境(酸化,水蒸気雰囲気等)及び高温下による特性及び微構造変化についても研究を進めている.

キーワード

セラミックス基複合材料,耐苛酷環境性材料,高機能セラミック多孔体,原子力・核融合炉用材料,微構造制御,セラミックプロセシング