島田 幹男

島田 幹男
原子力工学部門

職名
助教
電話
03-5734-3703
Eメール
zc.iir.titech.ac.jp
研究室HP
https://matsumoto.zc.iir.titech.ac.jp
研究者リンク
Web of Science | ORCID

研究の特徴

放射線が生体に及ぼす影響は様々です。細胞レベルではDNA損傷や中心体の過剰複製など、個体レベルでは発癌の原因になります。放射線が生体に及ぼす影響を分子生物学、細胞生物学手法を用いて細胞から個体レベルまで解析していきます。

紹介動画

研究の概要

  1. DNA損傷応答経路の解析
    放射線は細胞内DNAに損傷を与え、DNA切断を引き起こします。DNA切断はDNAの特性上、一重鎖切断と二重鎖切断に分類する事が出来ます。二重鎖切断は一重鎖切断と比較すると、放射線によって起こる数は少ないですが、損傷は重篤で修復されないまま放置すると細胞死につながります。DNA二重鎖切断修復に関与する分子群及びその修復機構は複雑で未だ多くの謎が残されています。我々はこのDNA二重鎖切断修復の分子機構の解明とそれらを利用した放射線増感剤及び抗癌剤の開発に取り組みます。
  2. 放射線と中心体複製
    放射線によって起こる生体影響の一つに中心体の過剰複製があります。中心体は細胞分裂に必須の細胞内小器官ですが過剰に複製されると正常な細胞分裂が出来ず、細胞死や染色体の不安定性につながります。放射線誘導性の中心体過剰複製の分子メカニズムの解明を目指します。
  3. 放射線感受性と遺伝病疾患
    遺伝病疾患の中には放射線に対して特に感受性を示すものがあります。これらの疾患は生まれつきDNA修復遺伝子に欠損があるために放射線に対して極めて弱い体質ですが、同時に脳神経発生異常や高発癌性といった重篤な症状も持ちます。これらの疾患の原因を解明する為に遺伝病患者細胞からiPS細胞を樹立し、神経細胞や各臓器の細胞に分化させる事により分子メカニズムの解明を目指します。

私の所属は物質工学部門の松本研究室になります。松本義久准教授と共同で研究を行いますので詳しい研究内容及び大学院入学希望者の方はそちらを参照下さい。大学院で修士号、博士号取得を目指す方には国際学会での発表や、論文発表、海外留学するための基礎的な実験から英語力の向上まできめ細やかに指導します。

キーワード

放射線分子生物学、放射線医療、DNA損傷応答、細胞周期チェックポイント、染色体不安定性、中心体、分子発癌、神経発生学、発生生物学