竹下 健二

竹下 健二
フューチャーエネルギー部門

職名
特任教授
電話
03-5734-3845
Eメール
zc.iir.titech.ac.jp
研究室HP
https://www.frr.iir.titech.ac.jp/
研究者リンク
Web of Science | ORCID | Research Gate

研究の特徴

竹下研究室では、電気エネルギーの長期安定供給とウラン資源の有効利用を目指した高速増殖炉燃料サイクルの構築、及び省エネルギー・ゼロエミッション・リサイクルなどの環境保全技術の構築による「持続可能な工業社会の確立」を目的として、化学工学をベースに、有機合成化学、高分子工学、材料工学、分離工学、環境工学など広範な分野で研究を展開しています。精緻で複雑な機能を示す材料デバイスを合成し、それらデバイス機能を統合化して、高機能な化学プロセス・システムを創造していきます。

紹介動画

研究の概要

  1. 高速増殖炉燃料サイクル技術開発(原子燃料サイクル研究ユニット )
    地球温暖化の抑制及び資源エネルギー問題解決には原子力利用の推進が不可欠です。安全かつ経済的に原子力エネルギーを利用するために核燃料サイクル技術開発を進めています。この開発研究は、科学技術創成研究院でイノベーティブな研究に取り組む組織の1つ、「原子燃料サイクル研究ユニット」において、内外の大学・研究機関と連携しながら進められています。使用済原子燃料の再処理工程で発生する高レベル廃液から長半減期元素や高毒性元素を回収するための分離・材料技術を研究しており、研究内容は分子設計合成、金属錯体の構造解析、連続高濃縮装置の開発、燃料サイクルのLCA(ライフサイクルアセスメント)解析、あるいは核種分離技術の応用として除染用の放射性セシウム回収技術の開発など広範な研究展開がなされています。資源エネルギー問題の解決を志す学生諸君、あなた方の熱い情熱を我々と一緒にこの研究にぶつけてみませんか。
  2. 環境保全・資源保全を目指した無廃棄物型有価物リサイクル技術開発
    工業プロセスでは一般に目的物質の分離・回収に大量の化学物質が使用され、それらはいずれ廃棄物として処分されています。化学物質の環境放出に伴う生態系への影響を軽減するためには、化学プロセスからの化学物質の放出低減化が必要であり、廃棄物発生量の少ない環境保全型への転換が強く望まれています。竹下研究室ではナノスケールの分離場に化学プラントの機能を集約した「ナノファクトリー」の構築を目指しています。ナノ空間の小さな分離場で、熱、光、音(超音波)、磁場などの外部エネルギーを利用して原料の製品化を行うために、廃棄物という概念すらも存在しない「究極の無廃棄物型化学プロセス」を構築することができます。このコンセプトに基づいた研究開発の一例に「光応答抽出法による貴金属回収」があります。この技術ではアゾピリジン系抽出剤を用いてUV・可視光照射による貴金属類の分離・回収が達成されており、「電子基板からの貴金属の一括回収」への本技術の適用が検討されています。

キーワード

原子燃料サイクル、高速増殖炉、燃料再処理、廃棄物処理、有価物回収、金属リサイクル、持続可能性、資源保全、同位体分離