浦田 健太郎

浦田 健太郎
原子力工学部門

職名
助教
電話
03-5734-2906
Eメール
zc.iir.titech.ac.jp
研究室HP
https://kobayashi.zc.iir.titech.ac.jp/
研究者リンク
Web of Science | ORCID

研究の特徴

金属材料は我々の生活と産業を支える基盤材料の一つです。特に鉄鋼材料は豊富かつ安価でありながら添加成分や熱処理温度によって様々な性能をもち、構造用材料や機能性材料といった形で我々の生活の中で活用されています。このように我々の生活にとって必要不可欠な金属材料が、カーボンニュートラル社会でも安定して持続的に生産し続けられる材料製造プロセスを実現することが当研究の目的です。当研究では熱力学や速度論、高温融体の物性値等を活用し、各研究課題に取り組んでいます。

研究の概要

  1. カーボンニュートラル製鉄プロセス
    カーボンニュートラル製鉄の実現に向けた研究に取り組んでいます。従来の高炉法では、コークスを使用する制約上、不可避的に大量のCO2排出が行われてきました。我々のカーボンニュートラル製鉄ではCOガスによる鉄鉱石の還元と排出CO2ガスを再度COに還元する技術と組合せます。もしこの技術が確立すれば、CO2ガスプラント内で循環させることでCO2排出量をほぼゼロとする製鉄プロセスが完成します。現在、私たちは還元ガスによる溶融還元製鉄法とその周辺技術の開発に取り組んでいます。
  2. 低品位原料を活用した材料製造プロセス
    電気炉の活用によるCO2排出量低減を目指す上で、その原料となる良質なスクラップ鉄の枯渇が課題となっています。一方で低品位な老廃スクラップは今後も増加する見込みがあるため、この老廃スクラップを活用した材料リサイクルプロセスの実現を目指しています。当研究室では特に老廃スクラップ中の不純物成分の除去や、不純物元素によるプロセス阻害を抑制する「無害化プロセス」の開発に取り組んでいます。
  3. 過酷事故炉の安全廃炉に向けた材料技術
    福島第一原発事故に代表されるような過酷事故炉の廃炉をするためには、炉内の構造材料の破損(汚染)状況を的確な予測する必要があります。また、汚染された構造材料を全て地中深くに廃棄することは現実的でないため、大量の構造材を処理する技術が必要となります。これらを達成するために、当研究では必要となる熱力学データをラボ実験で取得していくことで、過酷事故炉の廃炉に向けたデータベース構築に貢献をしていきます。

キーワード

熱力学、相安定性、速度論, 金属材料, 高温融体、廃炉