成果報告書

2020年度 共同利用・共同研究 成果報告書

  1. 課題番号:共2020-01
    核分裂片の荷電偏極に対する微視的研究
  2. 課題番号:共2020-02
    大気圧非平衡プラズマの物理と計測に関する研究
  3. 課題番号:共2020-03
    ヒト癌細胞株を用いたDNA損傷応答ネットワークの分子生物学的解析
  4. 課題番号:共2020-04
    核融合炉固体増殖ブランケットの擦過型腐食に関する研究
  5. 課題番号:共2020-05
    液体金属ミラーの光学的特性に関する研究
  6. 課題番号:共2020-06
    電気泳動堆積法による炭化ケイ素繊維への窒化ホウ素界面層形成技術の開発
  7. 課題番号:共2020-07
    高速炉用高次構造制御B4Cセラミック制御材の開発
  8. 課題番号:共2020-08
    極限環境用シロキサン系化合物の吸着材料の研究
  9. 課題番号:共2020-09
    有限ラーマー半径効果のリップル共鳴拡散による高速イオン損失への影響評価
  10. 課題番号:共2020-10
    鉄心の影響を考慮したトカマク型プラズマの位置計測・制御
  11. 課題番号:共2020-11
    13Cの中性子捕獲断面積の測定
  12. 課題番号:共2020-12
    超高速充放電特性を有するリチウムイオン電池の開発
  13. 課題番号:共2020-13
    包括的感度解析による使用済み MOX燃料処分の検討
  14. 課題番号:共2020-14
    バックエンドプロセスにおける物量評価手法の開発とNMBコードへの実装-2
  15. 課題番号:共2020-15
    MA分離用配位子の創製と物性評価 -2
  16. 課題番号:共2020-16
    高信頼性を有する放射性セシウム同位体比分析法の構築
  17. 課題番号:共2020-17
    レガシー放射性廃液中のアジ化物安定化処理法の開発
  18. 課題番号:共2020-18
    中性子・ガンマ線計測による非破壊測定技術に関する研究
  19. 課題番号:共2020-19
    高周波電子銃共同研究拠点形成のためのフィージビリティ研究
  20. 課題番号:共2020-20
    単一入射ホーン多チャンネル・マイクロ波干渉計によるトカマク・プラズマの電子密度分布計測
  21. 課題番号:共2020-21
    高温融体の各種物性に及ぼす微量不純物非金属元素の影響

課題番号:共2020-01

東京工業大学: 研究代表者 千葉 敏(先導原子力研究所・教授)
研究分担者 藤尾 和樹(先導原子力研究所・千葉研・修士課程2年)
相手先(学外)機関名: 研究責任者 江幡修一郎(埼玉大学理工学研究科・助教)
研究課題名: 核分裂片の荷電偏極に対する微視的研究
研究期間: 採択日~ 2021年3月31日
抄録: 核分裂は原子力における基本的な物理現象であり多くの研究が行われてきたが、有限量子多体系の大振幅集団運動としての難しさから未だにその本質は謎に包まれている。特に、断裂で生じた核分裂片の陽子数と中性子数の比が分裂核のそれと僅かに異なる現象があり、その差は荷電偏極として知られている。荷電偏極は僅か±0.5程度と小さいが、同重体のZ分布には最大で数桁になる多大な影響を与え、遅発中性子放出数に数10%もの影響がある事が知られている。これまで荷電偏極は現象論的に取り扱われてきたが、本研究では最新の原子核密度汎関数法を用いて微視的な立場から荷電偏極の研究を行い核分裂における断裂機構を理解する事を目的とした。特に有効相互作用として3種類の核力モデルを採用し、荷電偏極が導出できることを確認し、またそれが132Snの殻効果に強く影響を受けていることが共通点として見いだされ、強度に関しては相互作用依存性があることが明らかとなった。

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課題番号:共2020-02

東京工業大学: 研究代表者 赤塚 洋(先導原子力研究所・准教授)
研究分担者 根津 篤(先導原子力研究所・技術専門員)
相手先(学外)機関名: 研究責任者 山家 清之(新潟大学 工学部・准教授)
研究課題名: 大気圧非平衡プラズマの物理と計測に関する研究
研究期間: 2019年7月1日 ~ 2021年3月31日
抄録: 近年、大気圧非平衡プラズマを用いた産業及び医療応用など様々な分野への研究が盛んに進められている。特に、プラズマの電流と温度、密度の値を明示することが必要不可欠なものとされているが、大気圧非平衡プラズマの物理機構には未解明な点が多く、プラズマの状態と計測から求まる特性値との相関関係には不明な点が多い。本研究では、プラズマの電流値と連続スペクトルの双方から求まる電子密度を比較検討し、電流と密度の相関関係を明らかにした。

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課題番号:共2020-03

東京工業大学: 研究代表者 島田 幹男(先導原子力研究所・助教
研究分担者 塚田 海馬(大学院生・博士課程3年)
研究分担者 今村 力也(大学院生・博士課程1年)
相手先(学外)機関名: 研究責任者 石合 正道国立研究開発法人 国立がん研究センター研究所RI実験施設・施設長)
研究課題名: ヒト癌細胞株を用いたDNA損傷応答ネットワークの分子生物学的解析
研究期間: 2020年  6月  1日(または採択日) ~ 2021年 3月 31日
抄録: 放射線は細胞内ゲノムDNAに対して様々な種類のDNA損傷を惹起するため、細胞内にはそれぞれのDNA損傷の種類に対応したDNA修復タンパク質が存在し、生じたDNA損傷を直ちに修復する活性を持つ。本研究ではDNA修復タンパク質であるPNKPに着目し、マイクロレーザーによって細胞に損傷を与え、ライブイメージングにより細胞をタイムラプス観察することにより、視覚的にDNA損傷の発生とPNKPの挙動を追跡し、DNA損傷応答ネットワークの解明を目指した。

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課題番号:共2020-04

東京工業大学: 研究代表者 近藤 正聡(先導原子力研究所・准教授)
研究分担者 高橋 尚樹(修士課程2年生)
相手先(学外)機関名: 研究責任者 金 宰煥(量子科学技術研究開発機構・主幹研究員)
研究課題名: 核融合炉固体増殖ブランケットの擦過型腐食に関する研究
研究期間: 採択 ~ 2021年3月31日
抄録: 核融合炉の固体増殖ブランケット筐体内に充填されるトリチウム増殖材(Li2TiO3)微小球が振動した場合に、筐体壁に対して発生すると想定される擦過型腐食(フレッチングコロージョン)について調べた。まず、既存の試験装置を改造し、微小球と板状試験片の間で生じる擦過型腐食を調べる実験装置を製作した。更に、Li2TiO3微小球を使用して低放射化フェライト鋼F82Hなどの鉄鋼材料に対して、室温大気環境下のフレッチング試験を実施した。Li2TiO3微小球や鉄鋼材料の摩耗や、微小球成分の鉄鋼材料への付着などが生じる事が分かった。

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課題番号:共2020-05

東京工業大学: 研究代表者 近藤 正聡(先導原子力研究所・准教授)
研究分担者 村上 勝也(工学院機械系・B4)
相手先(学外)機関名: 研究責任者 早野 裕国立天文台 先端技術センター・准教授
研究分担者 松田 有一国立天文台 チリ観測所・助教
研究課題名: 液体金属ミラーの光学的特性に関する研究
研究期間: 採択 ~ 2021年3月31日
抄録: 液体状の金属を回転させて放物面の自由液面を形成し、その状態で冷却固化させる事により放物面鏡を得るという新しい反射望遠鏡概念を検討し、近藤研究室の実験設備を改良する事により実証実験を実施した。液体金属Gaを回転場で固化させて放物面を形成し、その表面形状を計測した。物理モデルによる理論計算に近い表面形状が得られる事が分かった。固化したGa表面の反射率に関する光学的な基礎データを獲得した。

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課題番号:共2020-06

東京工業大学: 研究代表者 吉田 克己(先導原子力研究所・准教授)
研究分担者 グバレビッチ アンナ(先導原子力研究所・助教)
研究分担者 榊原 大地(物質理工学院 材料系 原子核工学コース・修士2年)
相手先(学外)機関名: 研究責任者 小谷 政規(JAXA 航空技術部門・主任研究開発員)
研究課題名: 電気泳動堆積法による炭化ケイ素繊維への窒化ホウ素界面層形成技術の開発
研究期間: 2020年4月1日(または採択日) ~ 2021年3月31日
抄録: 次世代高信頼性耐熱材料として原子力・核融合炉分野や航空宇宙分野等での適用が期待されている炭化ケイ素(SiC)繊維強化SiC(SiCf/SiC)複合材料の革新的製造プロセスの確立を目指し、本研究では、電気泳動堆積(EPD)法によるSiCf/SiC複合材料のBN界面層の形成プロセスについて検討した。その結果、EPDに用いるBN粒子の薄片化及びEPD条件の最適化を図ることで、機械的特性に優れるSiCf/SiC複合材料の作製に成功した。

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課題番号:共2020-07

東京工業大学: 研究代表者 吉田 克己(先導原子力研究所・准教授)
研究分担者 グバレビッチ アンナ(先導原子力研究所・助教)
相手先(学外)機関名: 研究責任者 鈴木 達(物質・材料研究機構 機能性材料研究拠点 機能性粉体・セラミックス分野 セラミックスプロセシンググループ・グループリーダー)
研究分担者 東 翔太(物質・材料研究機構 機能性材料研究拠点 機能性粉体・セラミックス分野 セラミックスプロセシンググループ・研究員)
研究課題名: 高速炉用高次構造制御B4Cセラミック制御材の開発
研究期間: 2020年4月1日~ 2021年3月31日
抄録: 高速炉用炭化ホウ素(B4C)制御材は、中性子吸収反応により生じるヘリウムガス生成、中性子照射によるスエリング及び不均一発熱に伴う熱応力により割れが生じ、機械的相互作用により制御棒被覆管が破損することがあり、これらの課題を克服した制御材の開発が必須である。本研究では、面内または一方向に配列した柱状気孔の導入したカーボンナノチューブを添加した高次構造制御B4C基セラミック制御材を作製し、実機B4C制御材と比較して優れた耐熱衝撃性を有することを明らかにした。

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課題番号:共2020-08

東京工業大学: 研究代表者 グバレビッチ アンナ(先導原子力研究所・助教)
研究分担者 吉田 克己(先導原子力研究所・准教授)
相手先(学外)機関名:

研究責任者 山中 理代国立研究開発法人 宇宙航空研究開発機構 研究開発部門・研究開発員

研究課題名: 極限環境用シロキサン系化合物の吸着材料の研究
研究期間: 2020年4月1日 ~ 2021年3月31日
抄録: 宇宙機の使用材料由来のアウトガスが搭載機器や熱制御材表面へ付着して性能低下を引き起こす現象は、宇宙機運用時の課題であり、新規回避手法の創出が渇望されている。特にシリコーン系接着剤由来のシロキサン系化合物は、宇宙環境因子との相互作用や、軌道上での除去の困難さから問題視されている。そこで、本研究ではシロキサン系化合物の宇宙機表面への付着を極力低減でき、宇宙環境で使用可能な吸着材料の開発を目指している。本年度は、昨年度製作した吸着材料の改良と吸着性能評価に取り組んだ。

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課題番号:共2020-09

東京工業大学: 研究代表者 筒井 広明(先導原子力研究所・准教授)
研究分担者 飯尾 俊二(先導原子力研究所・教授)
相手先(学外)機関名: 研究責任者 篠原 孝司(量子科学技術研究開発機構・核融合エネルギー部門・上席研究員)
研究分担者 隅田 脩平(量子科学技術研究開発機構・核融合エネルギー部門・研究員)
研究課題名: 有限ラーマー半径効果のリップル共鳴拡散による高速イオン損失への影響評価
研究期間: 2020年4月1日 ~ 2021年3月31日
抄録: JT-60SA で高エネルギーD ビーム入射時に、ポロイダル断面のmid-plane 外側に発生するトリトンのリップル共鳴拡散を評価し、その有限ラーマー半径効果を調べた。軸対称円形断面平衡について、旋回中心近似無しの軌道をジャイロ位相平均して得られる軌道(旋回中心軌道に相当)xは、旋回中心近似で得られた軌道から外れ、リップル共鳴条件が変わる可能性が示されていた。今回、非円形断面で、ITER に比べ弱磁場のJT-60SA の平衡配位でも、同様の結果が得られた。

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課題番号:共2020-10

東京工業大学: 研究代表者 筒井 広明(先導原子力研究所・准教授)
研究分担者 飯尾 俊二(先導原子力研究所・教授)
相手先(学外)機関名: 研究責任者 小林 孝行(職業能力開発総合大学校 基盤ものづくり系・特任助教)
研究課題名: 鉄心の影響を考慮したトカマク型プラズマの位置計測・制御
研究期間: 2020年6月1日 ~ 2021年3月31日
抄録: 本研究では,磁性体である鉄心の影響を補正し,実時間制御において利用するための前段階として,実験後の解析において磁性体の影響を補正することを行った。実験環境のプラズマ実験装置PHiX をモデル化し,有限要素法解析によってその磁性体の作る磁場の分布を計算して得られる磁性体が作る磁場の分布を用いて,プラズマ電流重心の位置推定を行う実験解析において,補正の一定の有効性が示された。

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課題番号:共2020-11

東京工業大学: 研究代表者 片渕 竜也(先導原子力研究所・准教授)
相手先(学外)機関名: 研究責任者 堀 純一(京都大学 複合原子科学研究所・准教授)
研究分担者 高橋 佳之(京都大学 複合原子科学研究所・助教)
研究課題名: 13Cの中性子捕獲断面積の測定
研究期間: 2020年6月1日 ~ 2021年3月31日
抄録: 炭素の安定同位体である13Cは中性子を捕獲することにより放射性の14Cを生成する。炭素は原子炉で減速材、反射材として用いられており、13Cの捕獲断面積は重要である。しかし、13Cの中性子捕獲断面積の精度は悪く、特に中性子エネルギーが103 eV以上のkeV領域においては過去の実験値の食い違いが極端に大きいことが分かっている。keV領域での中性子捕獲断面積測定は難しく、測定可能な施設は世界的にも数が少ない。東工大先導研のペレトロン加速器はその数少ない施設の一つである。そこで、本研究では東工大ペレトロン加速器を用いて13Cの中性子捕獲断面積を測定する。

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課題番号:共2020-12

東京工業大学: 研究代表者 安井 伸太郎先導原子力研究所・助教
研究分担者 安原 颯物質理工学院・助教
相手先(学外)機関名: 研究責任者 寺西 貴志(岡山大学大学院自然科学研究科・准教授)
研究課題名: 超高速充放電特性を有するリチウムイオン電池の開発
研究期間: 2020年6月1日 ~ 2021年3月31日
抄録: 本研究はLiイオン二次電池における高速充放電特性を得るために正極材料に強誘電体BaTiO3を担持し、強誘電体周辺構造におけるLiイオン関連物質の生成分解について調査を行った。電解質LiPF6及び電解液EC/DEC由来の分解物であるLi有機物およびLi無機物の体積が確認できた。強誘電体周り(電解質-正極-担持物の三相界面)においてその堆積物の蓄積は非常に少なく、そこがLiイオンのパスとして作用していることが分かった。

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課題番号:共2020-13

東京工業大学: 研究代表者 中瀬 正彦(先導原子力研究所 福島復興・再生研究ユニット・助教)
研究分担者 竹下 健二(先導原子力研究所 福島復興・再生研究ユニット・教授)
研究分担者 朝野 英一(先導原子力研究所 ・特定教授)
研究分担者 三成 映理子(博士1年)
研究分担者 岡村 知拓(博士2年)
研究分担者 重清 直也(修士1年)
相手先(学外)機関名: 研究責任者 牧野 仁史(日本原子力研究開発機構 システム性能研究グループ ・グループリーダー)
研究課題名: 包括的感度解析による使用済み MOX燃料処分の検討
研究期間: 2020年度 11月 1日 2021年 3月 31日
抄録: 燃料の高燃焼度化、冷却期間長期化、分離変換技術導入、プルサーマル推進など将来の変動要因を見込んだ地層処分概念の成立性検討のため、プルサーマル推進シナリオを想定し、 UO2燃料や MOX燃料 、 それらの再処理やガラス固化の仕様に関 して文献調査をした。その結果をベースに発生するMOX燃料の処理・処分方法を検討した。インベントリ評価と線量評価し、得られたMOX燃料利用の場合の結果をUO2燃料利用の場合と比較することで MOX燃料に由来する廃棄物の技術的課題を検討した。

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課題番号:共2020-14

東京工業大学: 研究代表者 中瀬 正彦(先導原子力研究所 福島復興・再生研究ユニット・助教)
研究分担者 竹下 健二(先導原子力研究所 福島復興・再生研究ユニット・教授)
研究分担者 朝野 英一(先導原子力研究所・特定教授)
研究分担者 岡村 知拓(博士 2年)
研究分担者 三成 映理子(博士1年)
研究分担者 重清 直也(修士1年)
相手先(学外)機関名: 研究責任者 西原 健司(日本原子力研究開発機構 核変換研究グループ・グループリーダー)
研究分担者 大泉 昭人(日本原子力研究開発機構 核変換研究グループ・研究員)
研究課題名: バックエンドプロセスにおける物量評価手法の開発とNMBコードへの実装 -2
研究期間: 令和元年度~令和3年3月31日
抄録: 東工大と原子力機構は共同で核燃料サイクルの物量評価 コードNMB Nuclear Material Balance )の開発を進めている。 本年度は本コードの燃焼計算負荷の削減と高速化を目的に、行列指数法の一次近似解法 を開発 と 実装を行った。その結果、計算精度を落とさず計算速度を178倍に高速化させることができた 。これによりNMBコードで扱う核種数拡張、短半減期核種を組込むことができるようになった。 また昨年度の成果である核種選定結果をJAEA-Data/Code 2020-023にまとめ、一般に公開された。

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課題番号:共2020-15

東京工業大学: 研究代表者 中瀬 正彦(先導原子力研究所 福島復興・再生研究ユニット ・ 助教)
研究分担者 竹下 健二(先導原子力研究所 福島復興・再生研究ユニット ・教授)
研究分担者 針貝 美樹(先導原子力研究所 福島復興・再生研究ユニット ・研究員)
研究分担者 和田 恵梨子(先導原子力研究所 ・修士1年)
相手先(学外)機関名: 研究責任者 伴康 俊(日本原子力研究開発機構 群分離技術開発グループ・グループリーダー
研究分担者 筒井 菜緒(日本原子力研究開発機構 群分離技術開発グループ・研究員
研究分担者 松村 達郎(日本原子力研究開発機構 分離変換技術開発ディビジョン・副ディビジョン長
研究課題名: MA分離用配位子の創製と物性評価-2
研究期間: 令和元年度~2020年3月31日
抄録: 竹下研ではマイナーアクチノイドMA分離用の新規抽出剤を合成したのちに性能評価としてこれまではバッチ抽出試験にとどまっていた。 さらに踏み込んだ分離プロセスの検討を行うため、 本年度からJAEAが開発を行っている再処理プロセス解析コードPARC-MA を用いた分離シミュレーション検討を行った。 本年度はコードの仕様と特徴を確認し、典型的な抽出剤を用いた基礎検討を行った。

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課題番号:共2020-16

東京工業大学: 研究代表者 塚原 剛彦(先導原子力研究所 ・准教授)
研究分担者 野村 雅夫(先導原子力研究所 ・研究員)
研究分担者 木村 基哲(先導原子力研究所 ・研究員)
研究分担者 Kim Min Seok(博士3年)
相手先(学外)機関名: 研究責任者 高橋 宏明(原子力規制庁技術基盤グループ核燃料廃棄物研究部門・主任技術研究調査官)
研究分担者 深井 惠(原子力規制庁技術基盤グループ核燃料廃棄物研究部門・技術研究調査官)
研究課題名: 高信頼性を有する放射性セシウム同位体比分析法の構築
研究期間: 採択日 ~ 2021年3月31日
抄録: 原子力関連施設廃止措置の終了確認にあたっては、土壌等の環境試料中における放射性核種の分析・評価が義務付けられている。しかし、1F事故により飛散した放射性セシウムがバックグラウンドとして存在するため、施設由来か1F由来かを識別する手法の確立が喫緊の課題となっている。本研究では、環境試料中からの高選択的なセシウム分離回収技術と、表面電離型質量分析装置(TIMS)による回収試料中のセシウム同位体の精密計測技術とを組み合わせた、新しい放射性セシウム同位体分離技術を構築した。

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課題番号:共2020-17

東京工業大学: 研究代表者 塚原 剛彦(先導原子力研究所 ・准教授)
相手先(学外)機関名: 研究責任者 渡部 創(日本原子力研究開発機構(JAEA)核燃料サイクル工学研究所環境技術開発センター再処理技術開発試験部・研究員)
研究分担者 粟飯原 はるか(日本原子力研究開発機構(JAEA)核燃料サイクル工学研究所環境技術開発センター再処理技術開発試験部・研究員)
研究課題名: レガシー放射性廃液中のアジ化物安定化処理法の開発
研究期間: 採択日 ~ 2021年3月31日
抄録: 原子力関連施設での試験・分析によって発生する放射性廃液には多種多様な化学物質が混入しており、長年に渡ってレガシー廃液として保管廃棄されている。特に、抽出工程で用いられるヒドラジンは、硝酸による酸化等で揮発性のアジ化水素や爆発性の有機アジドを生成することから、これらアジ化物の安定化が喫緊の課題となっている。本研究では、アジド基とプロパルギル基との環化付加反応(クリック反応)に基づき、シリカ等の無機担体に迅速・簡便にアジ化物を固定化する手法を開発することに成功した。

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課題番号:共2020-18

東京工業大学: 研究代表者 相楽 洋(先導原子力研究所 ・准教授)
研究分担者 中岫 翔(先導原子力研究所 相樂研究室・東工大融合理工学系M2)
相手先(学外)機関名: 研究責任者 長谷 竹晃(核燃料サイクル工学研究所プルトニウム燃料技術開発センター 技術部・核物質管理課 技術副主幹)
研究課題名: 中性子・ガンマ線計測による非破壊測定技術に関する研究
研究期間: 2020年6月1日 ~ 2021年3月31日
抄録: MOX燃料施設では、Puを取り扱うため、厳格な計量管理及び保障措置対応が求められる。本共同研究では、Pu含有物に対する先進的な非破壊測定技術開発を目的として、ガンマ線計測および、中性子計測による非破壊測定技術の共同研究を開始した。2020年度は、軽元素不純物が未知なPu酸化物における(α,n)中性子源混在比を推定する新たな同時計数データの処理手法を開発し、Pu計量情報のベースとなるPu-240実効質量測定可能性を明らかにした。

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課題番号:共2020-19

東京工業大学: 研究代表者 林﨑 規託(先導原子力研究所・教授)
相手先(学外)機関名: 研究責任者 坂本 文人(秋田工業高等専門学校・准教授)
研究課題名: 高周波電子銃共同研究拠点形成のためのフィージビリティ研究
研究期間: 採択日 ~ 2021年3月31日
抄録:

高周波電子銃は,高周波電場を用いて電子ビームを生成・加速する加速器技術である。電子ビームの応用普及に向けて小型で安価な電子銃の必要性は高いことから,我が国の大学における高周波電子銃の共同研究拠点を先導原子力研究所に形成すべく,秋田工業高等専門学校と共同でフィージビリスタディを開始した。また,秋田工業高等専門学校においても産業技術総合研究所や本学と連携した電子加速器ならびに高周波電源の高度化と応用に関する共同研究が開始された。

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課題番号:共2020-20

東京工業大学: 研究代表者 飯尾 俊二(先導原子力研究所・教授)
研究分担者 内藤 晋(先導原子力研究所 飯尾研究室・博士課程2年)
相手先(学外)機関名: 研究責任者 桑原 大介(中部大学工学部講師)
研究課題名:
  1. 単一入射ホーン多チャンネル・マイクロ波干渉計によるトカマク・プラズマの電子密度分布計測
研究期間: 2020年6月26日 ~  2021年3月31日
抄録: プラズマにおいて電子密度は温度と並ぶ基本的なパラメーターである。電子密度の分布を測定することで、磁場閉じ込めプラズマの閉じ込め特性や、プラズマ内部の構造を議論することが可能になる。本研究室で所有する装置で電子密度分布を測定するため、マイクロ波多チャンネル干渉計を新たに導入した。導入した干渉計を試験し、プラズマの動きに矛盾しない線電子密度が測定できていることを確認した。

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課題番号:共2020-21

東京工業大学: 研究代表者 小林 能直(先導原子力研究所・教授)
研究分担者 中沢 亮太(修士課程2年)
相手先(学外)機関名: 研究責任者 齊藤 敬高(九州大学 材料工学部門・准教授)
研究分担者 古川 友貴(九州大学 学士課程4年)
研究課題名: 高温融体の各種物性に及ぼす微量不純物非金属元素の影響
研究期間: 2020年5月13日 ~ 2021年3月31日
抄録: Al2O3, MgO, およびMgAl2O4は代表的な非金属介在物であり,これら非金属介在物の除去にあたっては,介在物同士の衝突および凝集合体を促進し,浮上分離に有利な粗大介在物とすることが有効である.本研究では,Al2O3, MgO, およびMgAl2O4の非金属介在物基板の溶鉄および溶融Fe-18%Cr-9%Ni合金に対する濡れ性および界面エネルギー評価を行った.その際,これら溶融金属中への上記固体酸化物の溶解反応は高温濡れ性,つまり接触角を決定する主たる因子であるため,濡れ性評価後の急冷試料について酸素溶解量を定量化した.

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