コロキウム

2022年度

2022年度 第6回ゼロカーボンエネルギー研究所コロキウム 
"カーボンニュートラル社会の実現に向けた東芝エネルギーシステムズの革新炉開発"
講師: 青木 保高 1)、鈴木 哲 1)、木村 礼 2)
所属: 東芝エネルギーシステムズ  1)磯子エンジニアリングセンター、2) エネルギーシステム技術開発センター
日時: 2022年9月16日(金) 15:00-17:00
場所: 北1号館1階会議室
発表言語: 日本語
概要: 東芝エネルギーシステムズでは、分散電源としての活用を想定したマイクロ炉(Movelux)から高温ガス炉に代表される出力300MWe未満の小型炉クラスから、ベースロード電源として大規模電力需要を担う次世代大型軽水炉(iB1350)の開発を進めてきた。エネルギー基本計画で謳われる安全性の確保を大前提としつつ、経済合理性を備えた革新原子力プラントへの最新の取組みについて紹介する。
問合せ先: 小原徹教授 zc.iir.titech.ac.jp

2022年度 第5回ゼロカーボンエネルギー研究所コロキウム 
"塩化物溶融塩高速炉(MCSFR)の研究現状とZC研で取り組む研究に関して"
講師: 望月弘保、田原義壽
所属: 東工大
日時: 2022年7月1日(金) 15:00-16:30
場所: Zoomによるオンライン講演
https://zoom.us/j/95100405759?pwd=dGlzZTd3YWJHTzZGZGJQaXlrMDIxZz09
発表言語: 日本語
概要: 東工大ZC研において提案してきた塩化物溶融塩システムの事故・過渡解析結果と負荷追従運転、核特性解析の例を紹介する。また、BERDコンソーシアムが昨年度の研究で報告した内容の紹介を行うとともに東工大で実施可能な溶融塩高速炉関連の研究テーマを提案する。

2022年度 第4回ゼロカーボンエネルギー研究所コロキウム 
"核分裂連鎖反応の順番に沿ったべき乗法による随伴中性子束と動特性パラメータの評価法"
講師: 名内 泰志
所属: 電力中央研究所
日時: 2022年6月24日(金) 10:00-12:00
場所: Zoomによるオンライン講演
発表言語: 日本語
概要: 臨界近傍の原子炉では、核分裂で生成した中性子が散乱を繰り返した上で消失し、核燃料への吸収で消失した中性子の一部が核分裂を引き起こす連鎖反応がおきる。臨界の原子炉に中性子を入射させると、入射した位置、エネルギー、飛行方向に応じた一定の原子炉出力を形成する。この出力はIterated Fission Probability (IFP)とよばれ、実効増倍率keffを固有値とする固有方程式の随伴中性子束に比例する。べき乗法によるIFPの評価法、それを用いた一点炉動特性パラメータの計算法を紹介する。
なお、本講演は東工大溶融塩炉研究に関連して実施するものであるが、上記手法は 広く一般性を持つものである。
申込方法: ZOOMによるWebセミナーとして開催します.
参加希望の方は,石塚知香子 助教(ishizuka.c.aa[at]m.titech.ac.jp)までご連絡ください([at]を@に変えてお送りください).
招待状をメールにてお送りします.

2022年度 第3回ゼロカーボンエネルギー研究所コロキウム
"第3回GXI seminar「小型モジュール炉SMRの未来」"
講師: 小原 徹 教授
所属: 東京工業大学ゼロカーボンエネルギー研究所
日時: 2022年6月29日(水) 16:30~18:00
場所: Zoomによるオンライン講演
発表言語: 日本語
概要: 近年小型モジュール炉(SMR)への関心が高まっている。2020年に出されたSMRに関する国際原子力機関(IAEA)レポートには世界各国で開発が進められている72ものSMRが紹介されている。これまでの発電用原子炉は経済性を追求しひたすら大出力の原子炉(大型炉)が開発・建設されてきた。出力の小さい原子炉(小型炉)は、能動的な機器によらずに安全性が担保できる受動安全炉の設計が容易で、かつ建設期間も短くなる等のメリットがある。一方で一般に小型炉は経済性では大型炉に対して劣る。これを解決するために考案されたのが原子炉の設計を規格化して工場生産により製造・建設コスト低減を図る小型モジュール炉の考え方である。講演では、小型モジュール炉の特徴、開発の現状とその未来について概観した。

2022年度 第2回ゼロカーボンエネルギー研究所コロキウム 
"第2回GXI seminar「社会インフラストラクチャーとしての蓄電池の未来-蓄電池10の小話-」"
講師: 荒井 創 教授
所属: 物質理工学院応用化学系/科学技術創成研究院全固体電池研究センター
日時: 2022年5月26日(木) 17:30-19:00
場所: Zoomによるオンライン講演
発表言語: 日本語
概要: 蓄電池は、自動車のスターター・非常用バックアップに始まり、ポータブル機器電源として幅広く使われて来た。近年では電動車用電源や再生可能エネルギー由来電力の貯蔵といった大規模用途への展開が進むとともに、製造量が急激に増大し、部品でありながら社会インフラストラクチャーの一つとして考え直す時期に来ている。本講演では、蓄電池の満たすべき要件に基づき、鉛蓄電池・ニッケル水素電池・リチウムイオン電池を中心とした実用蓄電池が、どのような特徴を活かして社会でどのように棲み分けられて利用されているか、課題や今後の可能性を交えて、解説する。また大型用途として開発されているレドックスフロー電池やナトリウム硫黄電池、次世代型として期待される全固体電池や空気電池についても概説する。

2022年度 第1回ゼロカーボンエネルギー研究所コロキウム 
"第1回GXI seminar「ウクライナ危機と国際エネルギー情勢」"
講師: 小山 堅 特任教授
所属: 東京工業大学ゼロカーボンエネルギー研究所、日本エネルギー経済研究所
日時: 2022年4月19日(火) 16:45-18:00
場所: Zoomによるオンライン講演
発表言語: 日本語
概要: グリーントランスフォーメーション(GX)による社会のカーボンニュートラル(CN)化を目指すため、GXイニシアティブ(GXI)が設置された。
社会の重要課題であるGXについて理解を深めるためのGX seminarを定期開催する。
第1回目は小山堅特任教授による「ウクライナ危機と国際エネルギー情勢」として、天然ガスや原子力も含むエネルギー安全保障について、最新の話題が提供された。

 

2021年度

2021年度 第4回ゼロカーボンエネルギー研究所コロキウム 
"研究炉を用いた4中性子核(テトラニュートロン)探索の可能性"
講師: 藤岡 宏之
所属: 東京工業大学理学院物理学系
日時: 2022年3月24日(木) 13:00-14:30
場所: Zoomによるオンライン講演
発表言語: 日本語
概要: 通常の原子核は陽子と中性子から構成される。4つの中性子だけからなるテトラニュートロンの概念が提唱されたのは1960年代にまで遡るが、ここ数年、その存在を示唆する実験結果が複数報告されている。現時点では多くの少数多体系計算がテトラニュートロンの存在を支持しないものの、今後も実験的検証が必要であると考えられる。1960年代から70年代にかけてはウランなどの核分裂で生じるテトラニュートロンの探索が行われてきたが、その後、多核子移行反応やπ中間子ビームによる反応など加速器を用いた実験へとシフトした経緯がある。本セミナーでは、研究炉におけるテトラニュートロンの探索を改めて取り上げ、その可能性について議論したい。
申込方法: ZOOMによるWebセミナーとして開催します.
参加希望の方は,石塚知香子 助教(ishizuka.c.aa[at]m.titech.ac.jp)までご連絡ください([at]を@に変えてお送りください).
招待状をメールにてお送りします.

2021年度 第3回ゼロカーボンエネルギー研究所コロキウム 
"ゼロカーボン社会に向けた原子力利用・核燃料サイクルの将来"
講師: 西原 健司、伴 康俊、三原 守弘、松村 達郎
所属: 日本原子力研究開発機構
日時: 2021年12月27日(月) 13:30-16:00
場所: 北1号館1階会議室とZoomとのハイブリッド
発表言語: 日本語
概要: 2050年までのカーボンニュートラルに向けて世界各国で積極的な研究開発が進められている。再生可能エネルギーと原子力エネルギーの協奏はカギの一つであるが、我が国における原子力利用・核燃料サイクル研究の方向性は必ずしも明確にはなっていない。例えば、原子力発電の最大の課題の一つは放射性廃棄物処分であるが、処分の負担軽減に重きを置いた原子力システムは構築されてこなかった。本コロキウムでは、原子力機構と東工大が共同で実施している、再処理と処分の関連、更には、原子力システム全体を統合した解析の構築についての研究を紹介し、今後の原子力利用・核燃料サイクル研究の方向性を議論する。
申込方法: 以下URL先のMicrosoft Formsよりお申込み下さい。
https://forms.office.com/r/d9xs3umuvq
*URLが改行されてリンクエラーになる場合、URL全体をコピーし、ご利用のブラウザのアドレスバーに貼り付けてください。
申込期限: 2021年12月27日正午まで

2021年度 第2回ゼロカーボンエネルギー研究所コロキウム 
"重イオン衝突の輸送模型における衝突項の扱い"
講師: 小野 章
所属: 東北大学
日時: 2021年10月29日(金) 10:00-11:00
場所: Zoomによるオンライン講演
発表言語: 日本語
概要: 核反応の微視的シミュレーションに用いられる輸送模型では、平均場に加え、二核子衝突などの衝突項が時間発展を決定する要素である。輸送模型評価プロジェクト(TMEP)の最近の研究では、衝突項の扱いにより意図しない相関が現れたり、パウリブロッキングが不十分となったりすることが分かってきた。また、平均場が運動量に依存する場合やΔ共鳴の生成などでは、エネルギー保存の扱いが非自明となる。反対称化分子動力学(AMD)やそれに別のコード(JAM、sJAM)を組み合わせた計算で、衝突項をいかに改善するか、また、それがπ中間子生成や高密度対称エネルギーの研究にどう影響するかもお話ししたい。
参加申込: ZOOMによるWebセミナーとして開催します.
参加希望の方は,石塚知香子 助教(ishizuka.c.aa[at]m.titech.ac.jp)までご連絡ください([at]を@に変えてお送りください).
招待状をメールにてお送りします.

2021年度 第1回ゼロカーボンエネルギー研究所コロキウム 
"先進核融合炉のための液体金属ダイバータ研究"
講師: 宮澤 順一
所属: 核融合科学研究所
日時: 2021年10月20日(水) 17:00-18:30
場所: Zoomによるオンライン講演
発表言語: 日本語
概要: 一般的な磁場閉じ込め核融合炉では磁力線構造により高温プラズマを真空容器壁から切り離すダイバータ配位が用いられ、磁力線が真空容器壁に接続する箇所にはダイバータと呼ばれる受熱機器が設置される。ダイバータには高耐熱負荷性能と高粒子排気性能の両立が求められる。近年では液体金属等を用いる新型ダイバータの研究が世界的に注目を集めている。本講演ではダイバータの基本から液体金属ダイバータ研究の現状までを概説する。学内の方ならどなたでも聴講頂けます。
参加申込: 聴講希望の方は、近藤正聡(ZC研) kondo.m.ai(a)m.titech.ac.jp
<(a)は@>へお申し込みください。Zoom(リモート)で行う際のアドレスをお伝えいたします。

2020年度

2020年度 第3回先導原子力研究所コロキウム 
"可搬型小型原子炉ニュートリノ測定器の開発"
講師: 川﨑 健夫、今野 智之
所属: 北里大学 理学部
日時: 2021年1月21日(木) 13:30-15:00
場所: Zoomによるオンライン講演
発表言語: 日本語
概要: 稼働する原子炉では膨大な量の反電子ニュートリノが発生しており、多くの素粒子物理学実験等に利用されてきた。そのエネルギーは平均4MeV程度であり、宇宙線や環境放射線が背景事象となるため地表付近での測定は極めて困難である。地表で測定可能な小型可搬型の測定器が開発できれば、炉近傍における実験が可能となる。また、稼働中の炉内の情報を得ることにより原子炉工学分野への応用も見込める。本講演では開発プロジェクトの概要、2019年に発電所内で行った測定の結果、および今後の開発方針について述べる。
参加申込: ZoomによるWebセミナーとして開催します。
参加希望の方は、石塚知香子(chikako[at]lane.iir.titech.ac.jp)までご連絡ください。招待状をメールにてお送りします。

2020年度 第2回先導原子力研究所コロキウム 
"ガウス過程回帰に基づく核データの生成"
講師: 岩元 大樹
所属: 日本原子力研究開発機構 原子力科学研究所 原子力基礎工学研究センター
日時: 2020年12月7日(月) 13:30-15:00
場所: Zoomによるオンライン開催
発表言語: 日本語
概要: ガウス過程回帰を用いて、測定データから核データを生成する手法を開発した。ガウス過程回帰は機械学習における教師あり学習法の一つであり、本手法では測定データを訓練データとみなして核データを生成する。カーネル関数の設定のみで、ノンパラメトリックな手法を用いて回帰を行うことができ、過学習の影響を受けにくいといった特長を有する。さらに本手法は、ベイズ推論を基にしているため、任意のエネルギー点における断面積の情報を、不確実性を含めて生成することができる。本セミナーでは、ガウス過程回帰の基礎および核データ生成における本手法の利点と課題について述べるとともに、現在進行中の研究内容について報告する。
参加申込: ZoomによるWebセミナーとして開催します。
参加希望の方は、石塚知香子(chikako[at]lane.iir.titech.ac.jp)までご連絡ください。招待状をメールにてお送りします。

2020年度 第1回先導原子力研究所コロキウム 
"原子力発電所のゴミを加速器で減らす ー使用済核燃料の分離変換技術ー"
講師: 佐々 敏信
所属: JAEA J-PARCセンター 核変換ディビジョン ターゲット技術開発セクション
日時: 2020年4月22日(水) 13:30-14:30
場所: ZOOMによるWebセミナーです。
発表言語: 日本語
概要: 原子力発電所で発生する使用済み核燃料を分離して核変換する事により、人類が管理しやすくします。加速器と原子炉を組み合わせた加速器駆動型核変換システムの構造や、液体金属ターゲット技術に関する研究についてわかりやすく紹介します。
参加申込: ZOOMによるWebセミナー(学内限定)として開催します。
参加希望の方は、近藤正聡(kondo.masatoshi[at]lane.iir.titech.ac.jp)までご連絡ください。招待状をメールにてお送りします。

平成29年度

平成29年度第21回先導原子力研究所コロキウム 
"環境温度付近の低質温熱の温度変換、貯蔵のための材料開発"
(Adsorptive transformation and storage of low temperature heat: materials, cycles, dynamics)
講師: ユーリ・アリストフ WRHI特任教授( Yuriy Arisotv, WRHI Special Appointed Prof.)
所属: 東京工業大学科学技術創成研究院先導原子力研究所、ボレスコフ触媒研究所
(Laboratory for Advanced Nuclear Energy, Institute of Innovative Research, Tokyo Tech, Boreskov Institute of Catalysis)
日時: 2018年3月27日(火)11:00-12:00
場所: 北2号館6階会議室 (N2-Build. 6F Meeting Room)
発表言語: 英語
概要: 化学蓄熱材料研究の世界的権威である講演者が最近の環境温度に近い低質温熱の温度変換、貯蔵に関連する材料開発の最新動向を材料の化学動力学的観点から講演する。

平成29年度第20回先導原子力研究所コロキウム 
"Neutron induced reaction cross section measurements at CERN n_TOF for basic science and applications"
講師: Alberto Mengoni
所属: ENEA - National Agency for New Technologies, Energy and Sustainable Economic Development, and INFN - National Institute for Nuclear Physics, Bologna, Italy
日時: 2018年3月15日(木) 10:00-11:30
場所: 北2号館6階会議室 (N2-Build. 6F Meeting Room)
発表言語: 英語
概要: The study of neutron-induced reactions is of great relevance in a wide variety of research fields. At n_TOF, 60 capture reactions, 30 fission and 10 neutron-charged particles were measured over the course of about 20 years of activity.
Selected examples of relevant experiments recently carried out at n_TOF, together with the plan for new measurements to be performed in the near future, will be presented.

平成29年度第19回先導原子力研究所コロキウム 
"核データ評価の最前線:TALYS及びTENDLの将来"
(Modern nuclear data evaluation: the future of TALYS and TENDL)
講師: アルヤン コーニング(Arjan Koning)
所属: 国際原子力機関(International Atomic Energy Agency)
日時: 2018年3月19日(月) 15:00-16:30
場所: 北2号館6階会議室 (N2-Build. 6F Meeting Room)
発表言語: 英語
概要: The nuclear model software TALYS is gradually, but surely, turning into a one-code-does-all solution for the simulation of nuclear reactions. In this presentation, I will highlight some of the challenges of nuclear reaction modeling, and give some examples of the current power of (semi-)microscopic approaches, based on Hartree-Fock-Bogolyubov theory, for nuclear structure and reaction models like gamma-ray strength functions and level densities.

平成29年度第18回先導原子力研究所コロキウム 
"原子燃料サイクルにおける核燃料物質の輸送について"
講師: 長田博臣、茂手木裕一、清水大輔
所属: 原燃輸送株式会社設計・開発部部長 核セキュリティ推進担当、株式会社オー・シー・エル設計部基本設計グループ主査、株式会社オー・シー・エル設計部基本設計グループ チーフエンジニア
日時: 2018年1月26日(金) 15:00-17:00
場所: 北1号館1階会議室
発表言語: 日本語
概要: 本講演会では原子燃料サイクルにおける核燃料物質の輸送について、第一部では「核燃料物質輸送の安全とセキュリティ」と題して、核燃料物質輸送の現状(国内輸送と海外輸送)、輸送規則/技術基準(最近の動向)、輸送セキュリティを取り巻く状況(国際動向・国内法改正等について紹介する。第二部では「核燃料物質輸送容器の安全解析について」と題して、構造解析、遮蔽解析について紹介する。

平成29年度第17回先導原子力研究所コロキウム 
"原子炉・核融合炉材料および関連分野研究"
講師: 近藤 正聡、丸岡 伸洋、大野 直子
所属: 東京工業大学、東北大学、北海道大学
日時: 2018年1月28日(日) 13:00-15:00
場所: 北1号館1階会議室
発表言語: 日本語
概要: 原子炉・核融合炉材料および関連分野研究について、下記3名の研究者の方々にご講演いただきます。
「原子炉材料共存性研究のフロンティア」 東京工業大学 近藤正聡氏
「低放射化鉄鋼材料の製造のための鉄鋼精錬技術」 東北大学 丸岡伸洋氏
「事故耐性燃料被覆管としての酸化物粒子分散強化(ODS)鋼」 北海道大学 大野直子氏

平成29年度第16回先導原子力研究所コロキウム 
"中性子星連星系合体と超新星のインパクト:爆発的元素合成、ニュートリノ振動"
講師: 梶野 敏貴
所属: 北京航空航天大学・教授 / ビッグバン宇宙論元素起源国際研究センター・所長
日時: 2018年2月1日(木) 13:30-15:00
場所: 北2号館6階会議室
発表言語: 日本語
概要: 地上に存在するウランなどの重元素は速い中性子捕獲過程(r過程)により作られる。r過程の候補天体である超新星爆発と中性子星連星系合体との間では長年論争が繰り広げられてきた。今夏ついに中性子星連星系が合体して重力波・ガンマ線・可視赤外線などを放出する様子を重力波望遠鏡・宇宙ガンマ線観測衛星・光赤外線地上望遠鏡等で捉えることに成功し、中性子星連星系の合体がr過程元素合成のサイトである可能性が観測的に強く示唆された。マルチメッセンジャー天文学・宇宙核物理学の幕開けである。本報告では両天体でのr過程元素合成計算に加え、我々の銀河の化学・動力学的進化計算を行うことで重元素の起源の謎に総合的に迫る。また超新星元素合成におけるニュートリノ振動の重要性についても解説する。

平成29年度第15回先導原子力研究所コロキウム 
"原子核の形の揺らぎと大振幅集団運動"
講師: 鷲山 広平
所属: 筑波大学計算科学研究センター
日時: 2018年1月22日(月) 13:30-15:00
場所: 北2号館6階会議室
発表言語: 日本語
概要: 核図表上で中性子数を増やしていくと原子核の形が球形から変形に遷移する領域が現れ、そこでは原子核の低励起状態が複雑な構造を示す。この複雑な構造を理解する鍵となるのが原子核の形の揺らぎ、であり、形の揺らぎを考慮したボーア集団模型が一つの有効な手法である。本講演では最近のボーア集団模型の進展と我々が取り組んでいるSkyrme型密度汎関数法 + 局所乱雑位相近似法(Local QRPA)によるボーア集団模型の最近の進展を紹介する。また大振幅集団運動の観点から原子核の形を劇的に変える反応である核分裂について議論する。

平成29年度第14回先導原子力研究所コロキウム 
"骨形成における転写ネットワークの解明"
講師: 北條 宏徳
所属: 東京大学大学院医学系研究科疾患生命工学センター
日時: 2018年3月2日(金) 16:30-17:30
場所: 北2号館6階会議室
発表言語: 日本語
概要: 骨形成は、進化の過程で脊椎動物が獲得した機能の一つであり、骨格の形成・維持やミネラルの貯蓄に必須である。遺伝学の発展に伴い、脊椎動物において骨形成に必須な転写因子群が同定されてきたが、それらを介した転写制御機構については十分に明らかになっていない。また、放射線の骨形成に対する影響も不明な点が多い。我々は、次世代シーケンサーを用いたゲノムワイド解析により、骨形成における転写ネットワークの解明を目指している。本講演では最近の研究成果を紹介するとともにゲノムと脊椎動物進化との関連についても議論したい。

平成29年度第13回先導原子力研究所コロキウム 
"原子核応答で探るクラスター現象"
講師: 木村 真明
所属: 北海道大学理学研究院
日時: 2017年12月15日(金) 13:30-15:00
場所: 北2号館523号室
発表言語: 日本語
概要: 近年、原子核の励起状態に現れるクラスター構造と、α粒子の非弾性散乱などによって測定されるアイソスカラー型の核応答とが密接に関係している事が明らかとなり、興味を集めている。この講演では、両者の関係を概説すると共に、最近の研究成果を紹介する。

平成29年度第12回先導原子力研究所コロキウム 
"核反応輸送模型におけるゆらぎ"
講師: 小野 章
所属: 東北大学大学院理学研究科
日時: 2017年12月14日(木) 13:30-15:00
場所: 北2号館6階会議室
発表言語: 日本語
概要: 重イオン衝突など核子多体系のダイナミクスを扱う輸送模型では、決定論的な時間発展方程式に加えて確率過程(ゆらぎ)が導入されている。分子動力学法の二核子衝突や平均場模型にゆらぎを追加する試みなどは、フラグメント生成などを記述する有効な手法である。一方、輸送模型はその背景として波束やスレーター行列式など量子力学の波動関数を想定している。ゆらぎをすでに含む量子力学にさらにゆらぎを加えるとはどういうことか?
また、エネルギー保存はどうするのか? これらの疑問について、AMDでの例を含め、議論したい。

平成29年度第11回先導原子力研究所コロキウム 
"放射線によるDNA損傷と損傷初期応答"
講師: 柳原 晃弘
所属: 東北医科薬科大学 医学部 医学科 放射線基礎医学教室
日時: 2017年12月21日(月) 16:30-17:30
場所: 北2号館6階会議室
発表言語: 日本語
概要: 電離放射線による細胞死の主な要因は、DNAの二重鎖切断である。切断数が少なければ、全ての切断は複雑な修復過程の後に再結合され、細胞は死を免れる。切断数が多い場合や修復機構に問題がある場合は、再結合されないままの切断が残り、細胞は死に至る。放射線によるこの細胞致死作用は、がん治療にも応用されている。本講演では、複雑な反応の中のごく初期の反応にフォーカスをしぼり、この反応の概説と最近の研究成果についての紹介を行う。

平成29年度第10回先導原子力研究所コロキウム 
"微視的アルファクラスター模型、考えている事"
講師: 東崎 昭弘
所属: 大阪大学核物理研究センター、信州大学
日時: 2017年11月20日(月) 13:30-15:00
場所: 北2号館6階会議室
発表言語: 日本語
概要: 50年に亘って、微視的αクラスター模型に関わってきた。基本は核子間に働くパウリ原理の完全で正確な考慮と核子間有効相互作用の取り扱いにある。核子間相互作用は模型依存であり、アプリオリに模型を0設定すれば、「有効」にならざるを得ない。従って、微視的αクラスター模型に適切な有効相互作用を探る事が第一義的課題となる。この点で私が関わってきた事に触れる。そして、THSR(Tohsaki-Horiuchi-Schuck-Roepke)模型の誕生と考え方、最近の研究「フラーレン型のαクラスター配位の安定性」についても述べる。

平成29年度第9回先導原子力研究所コロキウム 
"時間依存平均場模型を用いた原子核ダイナミクス"
講師: 江幡 修一郎
所属: 北海道大学 理学研究院 原子核反応データベース研究開発センター
日時: 2017年9月29日(金) 15:30-17:00 開催時間・場所が変更になりました。
場所: 北1号館1階会議室
発表言語: 日本語
概要: 原子核物理学の大きな目的は、核力が働く有限量子多体系の構造とダイナミクスを統一的に理解する事である。原子核は核子を構成基礎粒子とする有限量子多体系で、系に含まれる粒子数と系のエネルギーに応じて多様な自由度が現れる。これまでに原子核の性質を理解する為に多くの模型が提案されてきたが、その中でも時間依存平均場模型は原子核の励起構造だけでなく融合や分裂現象への統一的なアプローチとして利用されてきた。
本講演では、核超流動性を考慮した時間依存平均場模型の紹介と、微小振幅現象と大振幅集団運動現象への本模型の適用例を紹介する。微小振幅現象では電気双極子励起状態の系統的な研究を紹介し、大振幅集団運動現象には核融合反応現象と核分裂への適用例を紹介する。

平成29年度第8回先導原子力研究所コロキウム 
"Forefront Coordination and Separation Chemistry to Explore Our Sustainable and Hopeful Society"
講師: 津島悟, Kathleen Schnaars, Michal Cibula, 風間裕行, Xiangbiao Yin, 鷹尾康一朗
Satoru Tsushima, Kathleen Schnaars, Michal Cibula, Hiroyuki Kazama, Xiangbiao Yin, Koichiro Takao
所属: 東工大先導研, 東工大WRHI, TU Dresden, HZDR
LANE, TokyoTech; WRHI, TokyoTech, TU Dresden, HZDR
日時: 2017年8月24日(木) 14:00-17:00
場所: 北1号館1階会議室
発表言語: 英語
概要: In this colloquium, young researchers including Ph.D students will introduce their latest research topics in forefront coordination and separation chemistry, which will explore our sustainable and hopeful society. We expect stimulated discussion with any of audience, especially young students who have to explore sustainable and hopeful society.

平成29年度第7回先導原子力研究所コロキウム 
"SHARAQスペクトロメータを用いた中性子過剰核の直接質量測定"
講師: 道正新一郎
所属: 東京大学 原子核科学研究センター
日時: 2017年7月21日(金) 13:30-15:00
場所: 北2号館6階会議室
発表言語: 日本語
概要: 核質量は、陽子と中性子からなる原子核の構成核子の質量と核子間相互作用の総和であり、原子核の安定性を決める物理量である。1940年代には、核質量の系統的データから安定原子核の殻構造が明らかにされ、安定線から遠く離れた原子核が生成できる今日でも、核質量は不安定核領域での殻進化を解明するうえで本質的である。
本講演では、 理研RIBF施設内SHARAQスペクトロメータを用いて行なった中性子過剰カルシウム同位体の直接質量測定を紹介する。本実験では、磁気剛性と飛行時間の高精度測定によって、二重魔法数をもつとみられる52,54Caをこえた中性子過剰カルシウム領域の核質量を、約100kevの精度で決定することができた。実験手法や測定精度の鍵となったダイヤモンド検出器等について紹介するとともに、測定結果に基づいて中性子過剰カルシウム領域での殻進化について議論する。

平成29年度第6回先導原子力研究所コロキウム 
"ミュオン散乱法の原子力応用"
講師: 宮寺晴夫
所属: 東芝 電力・社会システム技術開発センター
日時: 2017年6月6日(火) 15:00-16:30
場所: 北2号館6階会議室
発表言語: 日本語
概要: 宇宙線ミュオンを用いたミュオン散乱法イメージングは、9.11テロ後に核テロ対策技術として米国ロスアラモス国立研究所で開発が行われた。
ミュオン散乱法ではクーロン多重散乱が大雑把には物質の原子番号に比例する性質を利用して物質識別が可能であり、米国コンテナ全量検査法を受け、コンテナスキャナとしてすでに実用化されている。米国では港湾施設での実績もあり、今後、世界的に導入が進むことも考えられる。
本発表では、ミュオン散乱法イメージングの原理と検出器の構成、核テロ対策・核セキュリティなど原子力への応用や今後の展望について紹介する。

平成29年度第5回先導原子力研究所コロキウム 
"国際熱核融合実験炉ITERの建設と日本の貢献"
講師: 井上多加志
所属: 量子科学技術研究開発機構
日時: 2017年6月2日(金) 15:00-16:00
場所: 北2号館6階会議室
発表言語: 日本語
概要: 南仏サンポール・レ・デュランスにおいて、トカマク型核融合実験炉を国際協力で建設するITER計画が急ピッチで進められている。昨年11月、日欧米露中韓印の参加7極の政府高官から成るITER理事会は、運転開始となるファーストプラズマを2025年12月、その後段階的に運転範囲を拡張して本格的な核融合運転を2035年に開始するという新たな計画を決定した。本講演ではITER計画の進展、特に日本がITERに物納するTFコイル、NB用電源他、大型機器の製作の進捗等、日本の貢献を紹介する。

平成29年度第4回先導原子力研究所コロキウム 
"ナノ粒子によるDNA修復を標的としたがん治療"
(Nanoparticles in DNA repair targeted cancer therapy)
講師: Rujira Wanotayan
所属: タイ・マヒドル大学(Mahidol University, Thailand)
日時: 2017年5月31日(水) 16:30-17:15
場所: 北2号館6階会議室
発表言語: 英語
概要: Dr. Wanotayan studied the molecular mechanisms of DNA double-strand break repair in Tokyo Tech and was conferred Ph.D. degree on March 2015. She will introduce her current research interest in the treatment of cancer through combination of advanced nanotechnology and radiotherapy focusing on the development of nanoparticles for efficient DNA repair targeted drug delivery to cancer cells.

平成29年度第3回先導原子力研究所コロキウム 
"SCK-CENにおけるMYRRHAプロジェクトの概要とその研究開発の現状"
(Overview of MYRRHA Project and Current Status of R&D in SCK-CEN)
講師: Dr. Alexander AERTS, Dr. Jun LIM
所属: ベルギー原子力研究センター(SCK-CEN)
日時: 2017年5月15日(月) 13:30-15:30
場所: 北2号館6階会議室
発表言語: 英語
概要: MYRRHA is a fast-spectrum research reactor cooled by Lead Bismuth Eutectic, currently under development at the Belgian Nuclear Research Centre. Being an accelerator driven system, MYRRHA is a flexible irradiation facility and will contribute to international partitioning and transmutation efforts. In this talk we will introduce the MYRRHA system as well as an overview of the R&D programme in support of the MYRRHA project.

平成29年度第2回先導原子力研究所コロキウム 
"核構造研究と応用の為の全吸収ガンマ線分光測定"
(Total Absorption g-Ray Spectroscopy Measurements for Applications and Nuclear Structure)
講師: Alejandro Algora
所属: University of Valencia
日時: 2017年5月30日(火) 15:00-16:30
場所: 北2号館6階会議室
発表言語: 英語
概要: Total absorption spectroscopy can provide experimental information that can remain hidden from conventional beta decay studies using Ge detectors. In this presentation I will cover results obtained by our group using the total absorption technique that are relevant for the prediction of the decay heat and for the prediction of the neutrino spectrum in reactors.

平成29年度第1回先導原子力研究所コロキウム 
"核分裂に関する東京・東海ミニワークショップ"
(Fission2017 in TT (Mini workshop on Nuclear Fission in Tokyo and Tokai))
講師: 千葉 敏、M.D. Usang、岩田順敬, 河野俊彦, 吉田正, P. Talou, R. Capote, 西尾勝久、A. Andreyev
S.Chiba, M.D. Usang, Y.Iwata, T.Kawano, T.Yoshida, P.Talou, R.Capote, K.Nishio, A.Andreyev
所属: 東工大、LANL、IAEA、ヨーク大学、原子力機構
Tokyo Tech., LANL, IAEA, York University, JAEA
日時: 2017年4月10日(月) 9:30-17:30
場所: 北1号館1階会議室
発表言語: 英語
概要: Nuclear fission is a complicated large-scale collective motion of systems composed of finite number of nucleons. It is important as a subject of fundamental research as well as basis for safe and reliable design of nuclear reactors and planning transmutation of nuclear wastes. In this mini-workshop, we exchange our expertise, ideas, experience and also problems we are facing with on nuclear fission to strengthen international collaboration.

平成28年度


平成28年度第37回先導原子力研究所コロキウム 
"プラズマと放射線から迫る地球生命誕生のメカニズム"
講師: 高松利寛、松本義久、岩澤篤郎
所属: 神戸大学、東京工業大学、東京医療保健大学
日時: 2017年3月17日(金) 16:00-17:30
場所: すずかけ台キャンパス G3 棟 2 階 創造エネルギー専攻会議室
発表言語: 日本語
概要: プラズマと放射線は宇宙に遍在し、生体にラジカルを通じて作用する。ラジカルは、生命を担うDNA、タンパク質の構成成分である核酸やアミノ酸の生成に重要な役割を果たした可能性が考えられる一方、これらの高分子の構造、機能に影響を与える。本セミナーでは、プラズマ医療科学(高松)、放射線生物学(松本)、微生物制御(岩澤)の3つの視点からこの問題について考察する。(科学技術創成研究院異分野融合研究会を兼ねて開催)

平成28年度第36回先導原子力研究所コロキウム 
"科学技術創成研究院WRHIセミナー・先導研コロキウム 合同研究会"
(Joint Seminar of WRHI-IIR and LANE-Colloquium)
講師: T. Kawano, N. Carjan, R. A. Koramy, B. Matovic, J. Maletaskic
所属: 東京工業大学 科学技術創成研究院
Institute of Innovative Reseaerch, Tokyo Tech
日時: 2017年3月10日(金) 15:15-18:00
場所: 北2号館6階会議室
発表言語: 英語
概要: 科学技術創成研究院のWRHIプログラムで客員教員として先導研に在籍中の5名の外国人研究者の方々から、それぞれの専門分野におけるこれまでの成果につき、ご講演いただきます。(お一人質疑込みで30分)詳細プログラムはこちら

平成28年度第35回先導原子力研究所コロキウム 
"重イオン衝突の理論研究"
(Theories for Heavy-Ion Collisions)
講師: ヨアヒム マルーン
Joachim A. Maruhn
所属: フランクフルト大学
Johann Wolfgang Goethe-Universitaet
日時: 2017年3月23日(木) 15:00-16:30
場所: 北2号館6階会議室
発表言語: 英語
概要: The study of heavy-ion collisions began in the early 1970’s and led to the development of many new theoretical ideas. It turned out that heavy-ion collisions demand descriptions where transport theory plays an important role. In this talk I will trace the development of several microscopic models, their advantages and disadvantages, and their interrelation to lead up to what we have learnt by now.

平成28年度第34回先導原子力研究所コロキウム 
"インドネシアにおける原子力プログラムの現状とトリウム研究"
(Recent Status on Nuclear Program in Indonesia and Some Related Thorium Research Activities)
講師: シディック ペルマナ博士
Dr. Sidik Permana
所属: バンドン工科大学(インドネシア)
Institut Teknologi Bandung, Indonesia
日時: 2017年1月25日(水) 15:00-16:00
場所: 北2号館6階会議室
発表言語: 英語
概要: For preparing a nuclear industry, Indonesia has started researches and developments by operating some research reactors as a basis experiences since 1965. In university level, it has also some human resource activities on R&D in nuclear science and engineering. In his presentation, some related nuclear energy program in Indonesia will be presented as well as some nuclear security activities and a specific research topic on utilization of thorium fuel based reactors.

平成28年度第33回先導原子力研究所コロキウム 
"異分野融合研究「セーフティ・セキュリティ上の複合脅威に対する重要構造物の耐震健全性」"
講師: 相樂 洋 佐藤大樹 吉敷祥一 林﨑規託
所属: 先導原子力研究所、未来産業技術研究所
日時: 2017年1月25日(水) 16:00-18:00
場所: 北2号館6階会議室
発表言語: 日本語
概要: 原子力施設を始めとする基幹インフラ等の重要施設では、自然災害等に対する安全性(セーフティ)の確保のみならず、テロ行為等による不慮の事故への対策(セキュリティ)が強く求められている。本研究では、重要施設へのセーフティ・セキュリティ上の複合的な事象(脅威)を想定し、重要構造物の耐震健全性を総合的に検討するため、核セキュリティ研究で実績を有する先導研と耐震研究で実績を有する未来研それぞれの専門家が研究紹介し、セーフティ・セキュリティを融合した新領域を開拓するための総合討論を行う。

平成28年度第32回先導原子力研究所コロキウム 
"放射線誘発DNA損傷応答因子NBS1の分子機能"
講師: 加藤晃弘
所属: 東北医科薬科大学 医学部 医学科 放射線基礎医学教室
日時: 2017年2月16日(木) 16:30-17:30
場所: 北2号館6階会議室
発表言語: 日本語
概要: 電離放射線はDNAに様々な損傷を与えるが、中でもDNAの二重鎖切断(DSB)は特に重篤なDNA障害であり、細胞死や染色体異常、個体死、発がんの原因になる。それを裏付けるように、DSB修復の機能欠損は放射線高感受性や高発がん性、胎生致死などの結果をもたらす。本講演ではDSBの修復に重要な役割を果たすNBS1タンパク質の分子機能について、最近我々が発見した新規機能ドメインの解析結果を交えて紹介する。

平成28年度第31回先導原子力研究所コロキウム 
"放射線被ばくによる材料内エネルギー蓄積分析とその応用"
(The Stored Energy Fingerprints of Radiation Damage)
講師: マイケル・ショート
Prof. Michael Short
所属: マサチューセッツ工科大学
Massachusetts Institute of Technology, USA
日時: 2017年1月10日(火) 17:00-17:45
場所: 北1号館1階会議室
発表言語: 英語
概要: We propose the use of stored energy fingerprints as this new unit of radiation damage. They can be measured after irradiation, and they yield information about the resulting defect populations. We present a combination of time-accelerated molecular dynamics (MD) simulations and nanoscale differential scanning calorimetry (nanoDSC) measurements, which together paint a more measurable picture of the multiscale nature of radiation damage.

平成28年度第30回先導原子力研究所コロキウム 
"理論計算と実験の融合によるアクチノイド化学の深化 (WRHI招へい事業)"
講師: 津島悟a), 鷹尾康一朗b)
所属: a) Helmholtz Zentrum Dresden-Rossendorf, b)東工大先導原子力研究所
日時: 2017年1月27日(金) 13:30-16:30
場所: 北1号館1階会議室
発表言語: 日本語
概要: アクチノイド化学の理解を深めることは学術面のみならず、核燃料サイクル全体の基礎として非常に重要である。化学研究全般における実験・計算双方の重要性は言うまでもないが、特にアクチノイド化学においては法規制および安全の観点から実験上の制約が常に付きまとう。一方、計算化学では仮想空間でアクチノイド化合物を取り扱うことが可能なためそのような制約を一切受けないが、最も重い元素群であるため結果の妥当性評価や計算手法そのものにチャレンジングな部分を残す。アクチノイド化学の効率的な深化を図るためには実験・計算間での密接な情報交換・相互理解、ひいてはそれらの融合が重要となる。このような背景の下、本コロキウムでは東工大平成28年度WRHI事業によりお招きした津島悟氏による「フラグメント分子軌道法の大規模生体分子への応用計算例の紹介」をはじめ、実験・計算両面におけるアクチノイド化学研究の最新の状況を紹介し、総合討論を行う。

平成28年度第29回先導原子力研究所コロキウム 
"宇宙における元素合成の研究を目的とした、代理反応による不安定核中性子捕獲反応と、α移行反応による中性子生成反応の研究"
講師: 太田周也
所属: テキサスA&M大学
日時: 2017年1月13日(金) 15:30-17:00
場所: 北2号館6階会議室
発表言語: 日本語
概要: 宇宙における元素合成、特にs-過程の研究において、中性子捕獲反応と中性子生成反応の果たす役割は大きい。近年、テキサスA&M大学のサイクロトロン加速器を用いて、不安定核の中性子捕獲反応断面積を測定する為の代理反応法と、22Ne(a,n)25Mg反応による中性子生成反応について調べる実験を行った。
代理反応に関しては、89Zr(n,g)反応を90Zr(p,p’g)、91Zr(p,dg), 92Zr(p,tg)代理反応によって実験した成果を発表する。22Ne(a,n)25Mg反応に関しては、α粒子移行反応を逆運動学で用いて測定した最新の実験結果について発表する。

平成28年度第28回先導原子力研究所コロキウム 
"廃止措置と原子力熱流動に関わる最近の展望"
(Recent Progress in Decommissioning and Reactor Thermal Hydrodynamics)
講師: ハムダニ アリ, 高橋秀治
Dr. Ari Hamdani, Dr. Hideharu Takahashi
所属: 東京工業大学科学技術創成研究院 先導原子力研究所
Laboratory for Advanced Nuclear Energy, Institute of Innovation Research, Tokyo Institute of Technology
日時: 2016年12月14日(水) 16:00-17:30
場所: 北2号館6階会議室
発表言語: 日本語、英語
概要: 廃止措置と原子力熱流動に関わる最近の展望に焦点をあてた二つの講演を行う。
1) In this colloquium, the recent progress and the importance aspect of the thermal-hydraulic on the decommissioning will be presented. Furthermore, the developed technology using ultrasound technique for fuel debris inspection will be also presented and discussed.
2) 東京電力(株)福島第一原子力発電所事故後の廃止措置にも関連して、最新の放射性廃棄物処理・処分について解説すると共に、廃止措置に関わる 熱流 動研究の 最近の進展と今後の展望について紹介する。

平成28年度第27回先導原子力研究所コロキウム 
"Towards individualized medical dosimetry"
講師: Prof. dr.Diana Adlienė
所属: Kaunas University of Technology, Lithuania
日時: 2016年11月22日(火) 11:00-12:00
場所: 北2号館6階会議室
発表言語: 英語
概要: Our group is working on radiation assessment and optimization methods and medical radiation detectors with a special focus on new materials and new concepts for dosimeters. Also the development of new lead free materials for radiation shielding is within the scope of our research. We have long year experience in special field of radiation therapy - in vivo dosimetry in catheter based interstitial brachytherapy, so the results of our investigations using TLDs, gel dosimetry, MOSFETs and others will be presented. Also a new concept of surface plasmon resonance (SPR) based dosimeter will be introduced.
Recognizing that the development of new techniques and technologies and their application in medical field requires both: precise physical and also individualized biological dosimetry, we have expanded our research area to evaluation of irradiated cell cultures with the aim to cover investigation of radiation induced effects in the whole chain: cell- cellular structure-tissue-animal-human in the future. Some results on cell investigation will be also presented.
We are open for the international collaboration in the field of individualized medical dosimetry, especially in evaluation of radiobiological effects on cellular level.

平成28年度第26回先導原子力研究所コロキウム 
"JAEAにおける原子力の課題解決とイノベーション創出の取組"
講師: 大井川宏之
所属: 日本原子力研究開発機構
日時: 2017年1月20日(金) 15:00-17:00
場所: 北2号館6階会議室
発表言語: 日本語
概要: 日本原子力研究開発機構(JAEA)は、以下のような原子力に係る幅広い研究開発に取り組んでいる。
(1)福島第一原子力発電所(1F)事故への対処
(2)原子力の安全性の向上
(3)基礎基盤研究(原子力施設の供用及び人材育成を含む)
(4)高速炉技術と核燃料サイクルの確立
(5)原子力のバックエンド対策
 人類が原子力の存在に気付いてからまだ百年程度しか経っておらず、我々はその可能性をまだ十分に開拓しきれていない。原子力は、より安全でクリーンなエネルギー源としての活用や、中性子や放射性同位元素などの産業・医療・学術への高度利用など、多くの展開が見込める分野である。JAEAでは、他の研究開発機関、大学、企業との連携を強化し、日本発のイノベーション創出を先導していきたい。

平成28年度第25回先導原子力研究所コロキウム 
"原子核科学の進展と原子力基礎としての役割"
講師: 石塚知香子、岩田順敬
所属: 東工大 科学技術創成研究院 先導原子力研究所
日時: 2016年12月1日(木) 13:15-14:45
場所: 北2号館6階会議室
発表言語: 日本語
概要: 原子核科学の最近の進展と原子力の基礎としての側面に焦点をあてた二つの講演を行う。
1) 原子核を記述する状態方程式のうち、対称エネルギーの値は中性子過剰核種で重要な低密度領域や質量数の大きい核種を生成する衝突反応時の高密度領域ではモデルによる不定性が非常に大きい。そこで核子多体論から出発し、対称エネルギーがアクチナイド核の核分裂および中性子放出に与える影響を動的模型を用いた最近の成果を例に紹介する。
2) 原子核科学の分野では、近年の計算機技術の著しい発展により、現象論的なパラメータフィッティングを極力排除した理論模型がその存在感を増してきている。本講演では、まず時間依存密度汎関数理論および原子核殻模型計算といった理論体系を俯瞰し、それらを用いた原子核データベース分野を中心とした原子核工学への貢献可能性について議論する。

平成28年度第24回先導原子力研究所コロキウム 
"放射性物質分離技術の最近の進展"
(Recent Progress in Separation Technology of Radioactive Elements)
講師: (a) Terry A. Todd, (b) Tatsuro Matsumura, Keiichi Yokoyama, Masahiro Nakase、(c) Koichiro Takao, Kenji Takeshita
所属: (a) アイダホ国立研究所、(b)日本原子力研究開発機構、(c)東工大先導原子力研究所
(a)Idaho National Laboratory、(b) JAEA、(c) LANE, Tokyo Tech.
日時: 2016年10月28日(金) 14:00-17:30
場所: 北1号館1階会議室
発表言語: 英語
概要: In this colloquium, the recent studies on fuel cycle separation, actinides chemistry, minor actinides separation and cesium recovery are introduced and the future separation science and technology for nuclear application is discussed.

平成28年度第23回先導原子力研究所コロキウム 
"超重元素及びアクチノイド領域原子核における核分裂片のエネルギー及び質量数分布"
(The energy- and mass-distributions of fission fragments of super-heavy nuclei and some actinides)
講師: Fedir Ivanyuk
所属: Institute of Nuclear Reserach
日時: 2016年10月25日(火) 10:00-11:30
場所: 北2号館6階会議室
発表言語: 英語
概要: We define the energy- and mass-distributions of fission fragments within the scission point model. We found that for the super-heavy nuclei with 114<Z<126 a transition from mass-symmetric to mass-asymmetric fission as the mass of fissioning isotope increases. We have also calculated the energy- and mass-distributions of fission fragments for two actinide nuclei U-236 and Cf-252 where the experimental information exists.

平成28年度第22回先導原子力研究所コロキウム 
"国際核融合材料照射施設(IFMIF)原型加速器の開発"
講師: 春日井敦
所属: 量子科学技術研究開発機構
日時: 2016年10月12日(水) 15:00-16:00
場所: 北2号館6階会議室
発表言語: 日本語
概要: 2007年より開始された日本と欧州による国際共同事業である核融合分野における幅広いアプローチ活動の一つとして始まった国際核融合材料施設(IFMIF)の工学実証・工学設計活動は、IFMIFの主要機器の設計・製作・試験を行い、IFMIFの建設判断に必要な技術実証を行うことが最大のミッションである。量子科学技術研究開発機構(QST)六ヶ所核融合研究所は欧州との共同事業としてIFMIF原型加速器の建設・調整・コミッショニングを実施している。本講演では、国際協力の下で行われている原型加速器の開発状況とともに、プロジェクトの魅力や苦労話などについても紹介したい。

平成28年度第21回先導原子力研究所コロキウム 
"高電離・非電離放射線による細胞膜構造変化を指標とした新たな環境モニタリング手法の開発"
(Development of a new effective method for monitoring environmental state by investigating changes in biological membrane structures induced by ionizing and non-ionizing radiation)
講師: Yerevan State University (Armenia)
所属: Hamlet Badalyan, Armine Margaryan, Ella Karajyan
日時: 2016年9月28日(水) 10:00-12:00
場所: 北1号館1階会議室
発表言語: 英語
概要: Three scientists from Yerevan State University, Armenia, will present the talks listed below:
1. The size parameter as more informative parameter than the deformation index; H. Badalyan.
2. Ionizing radiation (UV, X-ray, γ-ray) impact on biological systems. The results obtained within the framework of the project A-2089; A. Margaryan.
3. Specifics of X-ray structural analysis of biological systems. The results obtained within the framework of the project; E. Karajyan, H. Badalyan.

平成28年度第20回先導原子力研究所コロキウム 
“高エネルギー原子核衝突反応におけるクォークグルーオンプラズマのダイナミクス”
講師: 平野哲文
所属: 上智大学理工学部
日時: 2016年12月8日(木) 15:00-17:00
場所: 北2号館6階会議室
発表言語 : 日本語
概要: ビッグバン直後の初期宇宙を満たしていたクォークグルーオンプラズマを生成し、その物性を調べる実験が欧州原子核研究機構のLHCやブルックヘブン国立研究所のRHICといった高エネルギー加速器を用いて行われている。
本研究では、生成されたクォークグルーオンプラズマのダイナミクスに着目し、興味深い実験結果を紹介しつつ、その現象論的解釈として原子核サイズの小さい系において流体力学的なマクロな時空発展の描像が成り立つことを示す。

平成28年度第19回先導原子力研究所コロキウム 
“原子核の対相関”
講師: 佐川弘幸
所属: 理化学研究所仁科センター/会津大学
日時: 2016年10月13日(木) 15:00-17:00
場所: 北2号館6階会議室
発表言語 : 日本語
概要: 対相関は原子核における最も重要な相関の一つである。原子核では陽子、中性子の自由度により、Heisenbergが提唱したアイソスピン対称性が重要な役割を果たす。超伝導状態に対するBCS理論が提唱された直後に、Bohr-Mottelson-Pinesは原子核の基底状態が、超流動状態である実験的証拠を示した。
この超流動状態は、2個の中性子や2個の陽子が結合したアイソスピンが1、スピンが0に結合した状態である。一方、原子核の核物質中ではアイソスピンが0、スピンが1に結合した対相関がより強いことが知られている。この対相関の最近の理論、実験の研究状況を議論し、将来の研究方向を探りたい。

平成28年度第18回先導原子力研究所コロキウム 
“水素製造等に供する安全なヘリウム冷却型原子炉(高温ガス炉)の開発”
講師: 國富一彦
所属: JAEA高温ガス炉水素・熱利用研究センター
日時: 2016年11月25日(金) 15:00-17:00
場所: 北2号館6階会議室
発表言語 : 日本語
概要: 日本政府は2050年までに地球温暖化ガスの排出量を2013年比の80%まで削 減することを長期的な目標としている。そのためには、発電分野のみならず、運輸、産業、民生分野から排出される炭酸ガスの削減が不可欠である。
高温ガス炉は、水を使わずヘリウムガスで原子炉を冷却する極めて安全なシステムであり、運輸、産業用の水素製造、高温熱供給等が可能である。
本発表では、高温ガス炉の導入による炭酸ガスの排出削減効果はどの程度か、なぜ、高温ガス炉は安全か、なぜ、熱利用率が優れているのか、なぜ、経済性も優れているのか等を紹介する。

平成28年度第17回先導原子力研究所コロキウム 
“原子核の二重ベータ崩壊を用いたニュートリノ有効質量決定の試み”
講師: 寺崎順
所属: チェコ工科大学プラハ 実験応用物理学研究所
日時: 2016年10月13日(木) 13:30-17:30
場所: 北2号館6階会議室
発表言語 : 日本語
概要: ニュートリノのタイプが時間変化を起こすというニュートリノ振動の検証以来、ニュートリノ質量の決定は現代物理学における最も重要な課題のひとつであるといって過言ではない。この有効質量を決める極めて数少ない方法のひとつが、原子核の二重ベータ崩壊の利用である。この方法の原理と、理論計算が遂行しなければならない課題を解説する。講演者はその理論計算のため、準粒子乱雑位相近似という原子核の構造計算にしばしば用いられる方法により、崩壊の始状態と終状態ならびに中間状態の波動関数を求めている。この近似の要点を述べ、その課題の現状と問題を解説する。

平成28年度第16回先導原子力研究所コロキウム 
“核子と核力---原子核やハドロンを結びつける力---”
講師: 安井繁宏
所属: 東京工業大学理学院
日時: 2016年9月27日(火) 15:00-17:00
場所: 北2号館6階会議室
発表言語 : 日本語
概要: 原子核内部にはハドロンからクォークに至る階層構造が存在し、それぞれの階層において固有の運動が見られる。もっとも基本的な粒子であるクォークの運動法則は量子色力学(QCD)である。しかし、クォーク間相互作用の強結合効果のために、量子色力学からハドロンや原子核の運動を記述することは困難であり、現在の原子核・ハドロン物理学のチャレンジングな目標の一つである。今回は主に工学部生を対象として、クォークからハドロンおよび原子核へ辿る道のりについて議論し、最近の原子核・ハドロン物理のトピックスを紹介する。

平成28年度第15回先導原子力研究所コロキウム 
“New Perspectives in Uranium Chemistry”
講師: Prof. Marinella Mazzanti
所属: Ecole Polytechnique Fédérale de Lausanne (EPFL), Switzerland
日時: 2016年8月26日(金) 15:00-16:30
場所: 北2号館6階会議室
発表言語 : 英語
概要: Uranium has very different magnetic properties and chemical reactivity from lanthanide and d-block metal ions because of its large size, the availability of 5f orbitals for bonding and the multiple oxidation states. Such reactivity plays a crucial role in many aspects of nuclear technology including nuclear fuel design, reprocessing and safe disposal and in determining the mobility of actinides in the environment. In this talk, the cutting-edge uranium coordination chemistry will be introduced.

平成28年度第14回先導原子力研究所コロキウム 
“大規模殻模型計算による核準位密度の微視的記述”
講師: 清水則孝
所属: 東京大学原子核科学研究センター
日時: 2016年8月17日(水) 15:00-16:30
場所: 北2号館6階会議室
発表言語 : 日本語
概要: 核準位密度は、原子炉用核データ計算や元素合成r過程の理解など様々な応用に必要な基本的な物理量の一つである。原子核殻模型計算は、微視的に準位密度を求める有望な手法の一つであるが、中重核領域に適用するためには、計算量の面で困難がつきまとう。
本研究では、大規模並列計算機に適した殻模型計算コードを開発し、確率的固有値密度推定法を組み合わせることによって、中重核の準位密度を得ることを可能とした。さらに、低励起状態を良く記述できる現実的相互作用を構築することにより、ニッケル58の準位密度のパリティ非依存性を微視的に記述することに初めて成功した。本講演では、これらの成果を紹介すると共に、応用の方向を探りたい。

平成28年度第13回先導原子力研究所コロキウム 
“量子科学と融合する細胞システム科学”
講師: 横谷明徳
所属: 量子科学技術研究開発機構 量子ビーム科学研究部門 放射場生体分子科学研究プロジェクト
日時: 2016年8月1日(月) 16:00-17:15
場所: 北2号館6階会議室
発表言語 : 日本語
概要: ヒトのゲノムが全て解読された今日であっても、放射線発がんのメカニズムはまだ解明されていない重要な課題である。福島で問題となっている低線量(率)の被ばくの影響の有無や、診断や治療の際に正常組織が受ける放射線の効果など、私たちの日常に直結する切実な課題でもある。本年4月に発足した新しい研究開発法人である量子科学技術研究開発機構(QST)では、DNA損傷に開始される放射線発がんのメカニズムの解明に向け、量子技術を基盤とした研究を展開しようとしている。また、放射線照射された細胞内で生起する様々なストレス応答に、“量子コヒーレンス”や“量子もつれ”などの興味深い量子力学的な効果が現れるか否かについても検証も行う。講演では、QSTにおけるこれらの研究の現状と展望を紹介したい。

平成28年度第12回先導原子力研究所コロキウム 
“反対称化分子動力学法の 最近の進展”
講師: 小野章
所属: 東北大学大学院 理学研究科
日時: 2016年7月26日(火) 13:30-15:00
場所: 北2号館6階会議室
発表言語 : 日本語
概要: 反対称化分子動力学(AMD)は核子多体系の時間発展を計算することにより核反応シミュレーションを行う手法のひとつである.フェルミエネルギー程度以上の入射エネルギー領域で一般的に用いられる輸送理論計算(QMDやBUUなど)と比べると,AMDは正確に反対称化された波動関数を用いるように定式化されており,量子力学的な側面が強い.一方で,核反応に現れる多彩な現象を説明するには種々の量子効果が重要であり,AMD法はそれらを取り入れるように拡張されてきた.本講演ではAMD法の枠組みとコードの最近の進展を説明する.例えば,破砕反応を記述する上ではクラスター相関を取り入れることが極めて重要である.また,最近の国際共同研究で,核子あたり百MeV程度の重イオン衝突について多数の輸送理論コードの比較が進んでいるが,その状況も紹介する.

平成28年度第11回先導原子力研究所コロキウム 
“福島第一原発事故解析コードの開発”
(Informing Decommissioning and Decontamination of Fukushima Daiichi from a Coupled MELCOR and MACCS Analysis of the Events)
講師: Dr. Nathan Andrews & Dr. Nathan Bixler
所属: 米国サンディア国立研究所 (Sandia National Laboratories, USA)
日時: 2016年7月14日(木) 17:00-19:00
場所: 北1号館1階会議室
発表言語 : 英語
概要: The Severe Accident Analysis Department at Sandia National Laboratories develops the severe accident analysis code MELCOR and the MELCOR Accident Consequence Code System (MACCS). This has enabled coupled severe accident and consequence analysis extending to three weeks for the three accidents at Fukushima Daiichi.

平成28年度第10回先導原子力研究所コロキウム 
“JAEAにおける核計算コード開発の現状と将来”
講師: 須山賢也
所属: 日本原子力研究開発機構
日時: 2016年7月29日(金) 15:00-17:00
場所: 北1号館1階会議室
発表言語 : 日本語
概要: 原子力機構では所謂「核計算コード」の開発を一貫しておこなってきた。近年、大学を中心に使用されてきた決定論的コードへの需要が減る一方で、連続エネルギモンテカルロコードが広く利用されるようになり、原子力機構の開発する計算コードに対して期待される姿は以前とは大きく異なってきている。また、コードの普及の観点からすると、輸出規制によって海外に開発したコードを提供することが困難である状況には大きな変化はなく、何を如何に開発し提供していくか、の三点についての戦略の策定が強く求められる状況にあると言える。本公演では、原子力機構における核計算コード開発の現状やその周辺状況を概括する。我が国の原子力の基礎基盤研究を支える計算コード開発が目指すべ方向を、共に考える機会としたい。

平成28年度第9回先導原子力研究所コロキウム 
“超新星ニュートリノによる希少な同位体の生成”
講師: 早川岳人
所属: 量子科学技術研究開発機構
日時: 2016年7月8日(金) 15:00-16:50
場所: 北2号館6階会議室
発表言語 : 日本語
概要: 超新星爆発では膨大な数のニュートリノが放出される。原始中性子星から放出されたニュートリノが外層を通過する際に、既に存在していた核種と相互作用を起こし、新しい同位体を生成する。このようなニュートリノ過程は、138La(0.09%)等の希少な同位体や、現在は存在しない92Nb等の生成に寄与することが分かってきた。この研究には、ニュートリノ-原子核相互作用の理論計算が重要な役割を果たす。この研究は、次のニュートリノ天体観測に重要なニュートリノエネルギーの予測等に寄与する。

平成28年度第8回先導原子力研究所コロキウム 
“核融合中性子源建設計画の概要”
講師: 鈴木寛光
所属: 量子科学技術研究開発機構
日時: 2016年6月30日(木) 15:50-16:35
場所: 北2号館6階会議室
発表言語 : 日本語
概要: 量子科学技術研究開発機構の核融合中性子源開発グループでは、六ヶ所核融合研究所において核融合材料開発のための中性子照射を主目的とした核融合中性子源(A-FNS)の建設を計画している。本施設はCW125mAの重陽子イオンビームを40MeVまで加速し、最大ビーム出力5MWを発生する線形加速器、液体リチウム・ターゲット、材料照射サンプルを格納するテストセル、照射後試験施設等で構成される。本講演では、核融合中性子源建設計画の概要を説明するとともに、これまで行われてきた装置のR&D結果の一部に関しても紹介する。

平成28年度第7回先導原子力研究所コロキウム 
“J-PARC -大強度陽子加速器によるサイエンスフロンティアの探索-”
講師: 山本風海
所属: 日本原子力研究開発機構
日時: 2016年6月30日(木) 15:00-15:45
場所: 北2号館6階会議室
発表言語 : 日本語
概要: 茨城県東海村で現在稼働している大強度陽子加速器施設 (J-PARC)では、世界最高クラスの大強度陽子ビームを標的に衝突させることで、中性子、ニュートリノ、ミュオンやK中間子等多彩な二次粒子を生成し、それらを利用して物性や生命科学における構造解析から原子、原子核、素粒子実験まで幅広い研究が行われている。本講演ではJ-PARCの概要を説明し、特に加速器の特徴と研究開発について解説する。

平成28年度第6回先導原子力研究所コロキウム 
“中性子過剰核におけるクラスター構造の出現と、クラスター・シェル競合”
講師: 板垣直之
所属: 京都大学基礎物理学研究所
日時: 2016年7月12日(火) 13:30-15:00
場所: 北2号館6階会議室
発表言語 : 日本語
概要: 近年中性子過剰核の構造に対する研究が劇的に進展している。ここでは、中性子を付与することで、これまで安定な原子核で見られた以上に、クラスター構造のようなエキゾチックな構造が重要となる可能性が指摘されている。
本講演では、平均場理論を用いることで、クラスター構造を全く仮定することなしに、リニアチェイン構造などが安定することを示し、特にその際に原子核の回転の効果に着目する。また、クラスター構造が、原子核の標準的な模型であるシェル構造とどう競合するのか、両者の統一的な模型はいかにして構築されるか解説する。

平成28年度第5回先導原子力研究所コロキウム 
“ミューオン異常磁気能率精密測定にむけたミューオン線型加速器の開発”
講師: 大谷将士
所属: 高エネルギー加速器研究機構
日時: 2016年6月1日(水) 16:00-17:00
場所: 北2号館6階会議室
発表言語 : 日本語
概要: 近年,素粒・標準理論を超える物理を探索するためのプローブとしてミューオンが注目されており,J-PARCにおいては,新たなミューオン異常磁気モーメントおよび電気二重極モーメント精密測定実験計画が計画されている。J- PARC/MLFにおいて超低速ミューオンを生成し,212MeVまで加速して実験に供給するために開発中のミューオン線型加速器を紹介する。

平成28年度第4回先導原子力研究所コロキウム 
“廃止措置科学の概要とその英国での適用”
(An introduction to decommissioning science and how it is applied in the UK)
講師: Kathryn Lennox
所属: 英国原子力研究所 (National Nuclear Laboratory, United Kingdom)
日時: 2016年6月2日(木) 13:30-15:00
場所: 北1号館1階会議室
発表言語 : 英語
概要: During this lecture we will explore what decommissioning science is, why it is important and how radiation monitoring techniques are vital to safe and efficient decommissioning. Some techniques and technologies will be briefly explained along with their purpose. Also, we will take a look at the UK. What are the decommissioning challenges in the UK and how are these challenges being approached.

平成28年度第3回先導原子力研究所コロキウム 
“A truly predictive method for critical heat flux. Is it even possible?”
講師: Emilio Baglietto
所属: Massachusetts Institute of Technology, USA
日時: 2016年6月8日(水) 16:00-18:30
場所: 北2号館6階会議室
発表言語 : 英語
概要: Multiphase flow and heat transfer are fascinating and inherently complex processes to model. They have challenged the scientific community for decades and hide mysteries that we are only recently uncovering. It is a great challenge to try to deliver a truly predictive method to describe departure from nucleate boiling; is it even possible?

平成28年度第2回先導原子力研究所コロキウム 
“放射線誘発バイスタンダー効果の統合的な解析のためのシミュレーションアプローチ”
講師: 服部 佑哉
所属: 東京工業大学工学院システム制御系システム制御コース
日時: 2016年5月16日(月) 16:00-17:00
場所: 北2号館6階会議室
発表言語 : 日本語
概要: 生物は、分子・細胞・組織の階層構造を持ち、放射線によって、異なる階層で様々な応答が誘発される。放射線の生物影響の評価や応答メカニズムの解明をする 上で、階層別に情報を観るだけではなく、横断して統一的に調べることも重要である。本研究では、低線量放射線照射や局所的な照射で観られるバ イスタンダー効果について、数理的アプローチによりDNA二本鎖切断から培養細胞群の生死までの代表的な放射線応答を記述した数理モデルを構 築することで、統合的な解析を実現した。

平成28年度第1回先導原子力研究所コロキウム 
“Use it or lose it" - renewables, storage and energy efficiency in Scotland and Europe (and Japan!)”
講師: Dr. Colin Pritchard
所属: 英国エジンバラ大学(University of Edinburgh, UK)
日時: 2016年4月19日(火) 17:00-18:30
場所: 北1号館1階会議室
協賛: 東京工業大学 環境エネルギー協創教育院(ACEEES)
発表言語 : 英語
概要: Instability of renewable energy is big problem for massive introduction of it in energy grid. Potential of technological solutions to the overcome for the instability is overviewed for cased in Scotland, Europe and Japan.
再生可能エネルギーの不安定性は導入が進むほどに大きく、欧州にとっても重大な問題となっている。原子力を含めたエネルギーシステムの技術的な対応をスコットランド、欧州、日本について展望します。

過去分を表示/非表示