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令和4年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業
「放射線・化学・生物的作用の複合効果による燃料デブリ劣化機構の解明」ワークショップビデオ会議の公開

福島第一原子力発電所(1F)の廃炉では、燃料デブリの取り出しは、燃料デブリ生成後10 年以上の経過後に開始されるものの、取り出しが終了するのは更に長期間を要すると予想されます。燃料デブリは炉内環境中で10年以上留まることとなることから、温度変化、地下水のpH、酸素濃度や放射線の影響、及び微生物活動により一部が損傷し、性状が変化する可能性があります。特に酸素を含む雰囲気下では性状変化の速度が速くなる可能性があります。

そこで、放射化学、核化学、核物理、燃料材料科学の専門家に環境微生物の専門家を加えた研究者により、模擬デブリの作製から、照射、化学的作用及び生物作用による溶出試験を行い、放射線損傷と酸化環境下における化学的及び生物学的損傷の複合作用による燃料デブリの劣化機構を解明するプロジェクト研究を行っています。本研究では、酸素が存在する条件での複合作用による劣化を時間の関数として表すことを最終目標としています。

本研究により、燃料デブリなどの組成に対する放射線、錯体形成、吸着、微生物の影響について、多くの知見を得ることができました。これらの成果について討議するワークショップビオ会議を計画しました。

本研究に参画した研究者により、これまでの成果について紹介していただきます。本ワークショップ(セミナー)は英知事業人材育成事業の一環として実施したいと思いますので、多くの方に参加していただき、燃料デブリの取り出しに向けた研究の現状について知っていただきたいと思います。

会場:
WEB上
期日:
3月17日(火)-3月31日(金)
概要:
燃料デブリなどの組成に対する放射線、錯体形成、吸着、微生物の影響に関する研究成果
講演案内:
第一部 放射線作用による劣化機構の解明
放射線作用による劣化気候の解明 北垣徹(JAEA)

第二部 化学的作用による劣化機構の解明
錯形成による劣化機構の解明 鷹尾 康一朗(東工大)
・マイクロ流路法による劣化機構の解明 塚原 剛彦(東工大)
・鉄酸化物への元素吸着 中瀬 正彦(東工大)

第三部 生物的作用による劣化機構の解明
モデル微生物による劣化機構の解明 大貫敏彦(東工大)
1F生息微生物による劣化機構の解明 土津田雄馬(JAEA)

第四部 劣化モデルの概念設計
劣化モデル 大貫敏彦 (東工大)